バレーボールPRESSBACK NUMBER
「ランが恋しいよ」高橋藍が消えた“モンツァはいま”…今季リーグ11位に低迷、広報も思わず本音「I miss Ran」「ランに憧れた19歳韓国人は…」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2025/04/24 11:06

古巣のチームメイトからいまもラブコールが届く高橋藍(23歳)。サントリーサンバーズ大阪をSVリーグ初代王者に導けるか
ウジンは日本代表で戦う高橋の姿を見て憧れ、高校卒業後、インターン先にモンツァを選び、昨季練習生としてチームに加入した。高橋は、初めての海外生活で右も左もわからないウジンを、一緒に車に乗せて練習に行ったり、こまめに話しかけるなど常に気にかけて面倒を見ていた。
ウジンは、「YouTubeで日本代表の試合を見て、ランのレシーブに憧れて、彼のスキルを間近で学びたいと思いモンツァに来ました。実際に見ると本当にうまくて、それにとても親切で面白い人。冗談もとても上手です(笑)」と慕い、頼っていた。
昨季、高橋はこう語っていた。
ADVERTISEMENT
「ウジンなので僕は“ジン”って呼んでいるんですけど、ジンはまだ僕が最初イタリアに来たばかりの時ぐらいの語学力だし、気持ちがすごくわかるので、積極的にコミュニケーションを取るようにしています。日本と韓国ってすごく共通点やつながりが多いので、『韓国語でコレなんて言うの?』みたいな話をしたり、本当にしょうもないジョークを言ったり(笑)。
後輩ができるのが僕は結構嬉しくて。自分がその立場を経験してきたからこそ気になって、助けてあげたいと思うし、やりやすい環境を作ってあげたいなと思うんです」
涙したウジンの逞しい成長
シーズンを終えて高橋が帰国する際には思い切り泣かれたという。
そのウジンが今季はモンツァでプロ選手として登録され、セリエA出場を果たした。
チャンピオンズリーグ準々決勝の対ペルージャ第2戦では、ペルージャが第3セットを取りセットカウント2-1となった時点で、ペルージャの準決勝進出が決まった。すると第4セットはウジンがスタートから起用された。
ウジンは、難しい場面ではきっちりとリバウンドを取って攻め直したり、好守備で貢献。ボールを相手コートに返す際にも、相手の隙を突いて得点に繋げるなど、高橋を彷彿とさせるクレバーなプレーを披露した。
そのことを高橋に伝えると、「そうなんですか!」と嬉しそうだった。
「ジン、ちょっと喋れるようになってますかね」と思いを馳せる。
異国で奮闘する後輩の中に、高橋と過ごした1シーズンが確かに息づいていた。
