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「ランが恋しいよ」高橋藍が消えた“モンツァはいま”…今季リーグ11位に低迷、広報も思わず本音「I miss Ran」「ランに憧れた19歳韓国人は…」
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2025/04/24 11:06

古巣のチームメイトからいまもラブコールが届く高橋藍(23歳)。サントリーサンバーズ大阪をSVリーグ初代王者に導けるか
高橋、カナダ代表のスティーブン・マー、エリック・レプキーというアウトサイド3人と、カチョパとあうんの呼吸のコンビを見せていたイタリア代表ミドルブロッカーのジャンルカ・ガラッシが移籍して抜けた穴は大きすぎた。今季は元イタリア代表のオスマニー・ユアントレーナ、イバン・ザイツェフ、アメリカ代表のテイラー・エイブリルなどビックネームを補強したが、怪我などによる離脱が相次いだ。
「今季は問題が多すぎて、本当に難しいシーズンだった。(イタリア代表の)レアンドロ・モスカは怪我で1年間プレーできなかったし、ユアントレーナも。他にも多くの選手に問題が発生して、我々は毎週何かしらの問題を抱えていた。ベストな状態で試合に臨むことが一度もできず、こんな結果になってしまった」
普段は陽気なカチョパの顔に疲労の色が濃くにじんでいた。そして言った。
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「I miss Ran so much.(藍が恋しいよ)」
笑いながら、だが冗談ではなさそうだ。
「本当に彼ともう1年一緒にプレーしたかった。来シーズンも彼が日本でプレーするのは知ってるよ。でも将来いつかまた……。彼が僕のいるチームに来てくれるようトライするよ(笑)」
高橋藍がモンツァに残した“小さな光”
もう1人、「I miss Ran.」の声を発した人がいた。モンツァの広報を務めるカミラ・フリジェリオさんだ。
「彼は素晴らしいプレーヤーだったし、とても優しかったから」と懐かしむ。
今季は負けが込み、広報としても気が滅入るシーズンだったようだ。彼女が「唯一の希望」と望みをかけていたのが、欧州チャンピオンズリーグだった。
チャンピオンズリーグは外国人枠がないことも功を奏し、モンツァはベスト8に勝ち上がっていた。
しかしペルージャと対戦した準々決勝では、ホームで行われた第1戦に1-3で敗れ、ペルージャのホームで行われた第2戦も、同じく1-3で敗れて今季の戦いを終えた。
だが、敗退が決まったペルージャとの準々決勝第2戦では、高橋がモンツァに残して行った小さな光が輝いた。19歳の韓国人選手、イ・ウジンである。