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サムライブルーの原材料BACK NUMBER
「Jリーグ自体を変えていきたい」中山雄太が欧州を去り、FC町田ゼルビアに加入したワケ「(代表入りへは)毎日死ぬ気でやっていくしかない」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/04/12 17:00

J1で首位に立つFC町田ゼルビアを牽引する日本代表の中山雄太(28歳)が語るJリーグとW杯への思いとは
これまでセンターバック、ボランチ、サイドバックなど様々なポジションをこなしてきたなかで、どうしても守備のイメージが強い。だが経験値の浅いウイングバックというポジションを与えられた今季、攻撃にも積極的に絡んでいる。シャドーの相馬勇紀がサイドに顔を出せば、中山はインサイドにポジションを移してボールを引き出していく。ボランチ、ストッパーを含めた左サイドの連係が今季の町田の強みになっている。
中山には与えられたポジションでスペシャリストを目指すというポリシーがある。それこそが己の可能性を広げることにもつながっている。
「自分に合っていないと思い込んだり、自分がやりたくないポジションだって構えたりするともうその時点で受け身になってしまっていますから。能動的に取り組むのとでは、入ってくる情報量も違ってくる。そういう姿勢自体を習慣化しておくと、意外と適性があるんだなとか思えるんですよね。その都度全力でやってスペシャリストを目指していく取り組みというのは、これから先もずっと変わらない。僕はサッカーを離れたところでも、そういう気持ちでいるようにしています」
日本代表への思い「毎日死ぬ気で…」
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この姿勢はポジションの話にとどまらない。道半ばで欧州を離れて町田でのチャレンジを能動的に取り組んでいることが、さらなる成長を呼び込んでいるのは言うまでもない。
日本代表に対するスタンスだって同じだ。かつて常連メンバーであったものの、現在は当落線上にあると言っていい。置かれた立場はどうあれ、やるべきことはただ一つだと分かっている。
「町田に加入する前の話に似ていて、欧州でプレーしたいという思いがあっても、代表への思いがあっても、当然行けない場合がある。結局、今何ができるか、どうやれるかが未来につながっていくし、それがFC町田ゼルビアでのパフォーマンスだと思っています。(代表へのチャンスが)来るか来ないかなんて分からないですよ。でも来ると信じて、毎日死ぬ気でやっていくしかない。日本代表への思いというものは、正直あります」
中山雄太と日本代表。このストーリーを描くにおいて、2年半前の出来事を決して外すことはできない――。
