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「3月に160キロをホームランするとは!」五十嵐亮太が語る今季の大谷翔平の凄み…“魚雷”ではないバット変更で見えた「想像を超える対応能力」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki
posted2025/04/11 11:03

キャンプから開幕の状態をつぶさに取材してきた五十嵐亮太さんが見た、今季の大谷翔平の展望は?
今季は右肘のリハビリを終えての投手復帰も予定されている。キャンプから見てきた五十嵐さんにとって、「ピッチャー大谷」の印象とは?
大谷の魅力「攻めの姿勢」
「常に攻める姿勢を崩さない。自分が理想とするプレーヤーを常に追い求めているなかで、妥協がないですね。そして、そこへの逆算が非常にうまい。彼はもともとパワーピッチャーで、2回目のトミー・ジョン手術を受けるというのは、やはりそこに戻りたいんですよ。いいときの自分のピッチングというものはある程度意識している。
ただ、同じことをやると、また怪我につながるリスクがあります。そこをどうしていくか、という作業を今後進めていくんだと思います。ただ、彼は手術前でも93マイル、150キロくらいなら投げられるんだけれど、それだと楽しくない、と言っていたと。投げられるなら170キロを投げてみたい。2回目のトミー・ジョン手術は29歳で受けましたが、20代で守りに入りたくないと。そういう攻めの姿勢が崩れないところが、やっぱり彼の魅力だなと思います」
速球が投げられないのは「つまらない」
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五十嵐さん自身、現役時代は160キロ近い豪速球を誇るパワーピッチャーだった。投手の心理として、やはり速球を投げられないことは面白くないものなのだろうか。
「それは、つまらないです。つまんない(笑)。僕も、若い頃は球速がけっこう出ていましたけど、ベテランになってからも、練習をしながらふと、あの頃の球を投げられないかな、と思うことがあるんですよ。
もちろん体の使い方も変わっているし、体自体も変化しているから、まあ、できないんです。できないんだけど、やっぱり投げたい。最後まで、速い球を投げたいと思っていました。大谷選手も、160キロ、もしくはそれ以上を常に投げられる体でありたいと思う、これは野球選手であればみんなそうだと思います」
ピッチャーは練習の1球ごとに自身のボールのスピンレートや変化量などさまざまなデータを計測して、投球をデザインする時代。それでも大谷はNumberインタビューで、自分が一番こだわる数字はシンプルに、スピードだと断言している。