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「脱落者ゼロ」も「最初は行きたくなかった…」全国ベスト4強豪校が“ナゾの自衛隊特訓”…部員150人を抱えるサッカー部監督の狙いは?
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安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2025/04/08 11:01

自衛隊の訓練に体験入隊した高川学園高校サッカー部
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自衛隊訓練という、一見、突拍子もないような取り組みに感じるが、大所帯のチームに一体感を生み、それぞれに日々の言動と意識を正すきっかけを与えていた。
江本監督は続ける。
「150人いる部員たちに『ああだぞ、こうだぞ』と言い続けても、その指導者のキャパレベルの人間にしかならないんです。多種多様な大人たちと出会って、様々な物の考え方、見方を教えてもらう、伝えてもらうことで、それぞれのオリジナリティーを持った人材が育つ。大事なのは彼らが社会に出てからの人生をどう過ごせるか。その土台を高校の3年間である程度は作らないといけないし、部活動がその重要な役割を担っていると思っています」
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「集合!」
後日の練習。キャプテンの声が飛ぶと全員が江本監督の前に機敏な動きで集まってきた。その立ち姿は自衛隊で見た彼らそのものだった。新たな刺激を受けた80名の突き上げはトップチームにどんな影響を与えるだろうか。
