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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
センバツ優勝・横浜高「盤石投手陣」より高評価? 愛知“普通の公立校”の謎サウスポーの正体は…スカウトが語った春の甲子園「不出場」の逸材たち
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2025/03/31 06:01

センバツ不出場の選手の中にもプロ注目の逸材は多い。敏腕スカウトが明かした「今春の甲子園に居なかった」原石たちの名前は…?
「たとえば、横浜高の織田君(翔希・185cm75kg・右投右打・2年生)なんて、こっち(甲子園)に来てからお腹をこわしているのに148~149(キロ)出していて、それはそれですごいことですけど、ストレートは結構捉えられている。
逆に奥村君のほうは、140キロ前後のスピードなのに、打者がものすごく差し込まれていて空振り三振もとれる。つまり、織田君のは、当たり前だけど<高校生のボール>で、奥村君のほうは<大人のボール>なんですよ。高蔵寺のピッチャーには、その大人感がある」
昨年は、春、夏、秋……県大会で3回見ているという。
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「内、外角にしっかりしたライン(球道)があって、ベースの上で強い速球が来る。相手なりに出力を変えて投げながら、1本ジャストミートされると、一気に147~148(キロ)にギアアップですからね。こんなサウスポー、東海・北陸には他にいないでしょ」
ベタ誉めの中で、気になっていることが1つあるとか。
「ちょっと聞いたんですけど、社会人(野球)志望らしいんですよ。ええ、自分がいちばんやりたいことが野球なので、進学はしないんだって。そのへんも直接確かめに、これ(センバツ)終わったら、ね」
センバツのスラッガーと「差はない」石川の強打者
「う~ん……小松大谷の田西(称・三塁手・180cm85kg・右投左打)かな、私の場合は」
やはり、春のセンバツは、自分の担当地区の選手と比べながら見ていると、あるスカウトは話してくださった。
「今年のセンバツだったら、技術で横浜高の阿部(葉太・外野手・179cm85kg・右投左打)が頭2つ、パワーで智弁和歌山の福元(聖矢・外野手・180cm90kg・右投左打)が頭1つ、他のバッターより上回っていると思って見ているんですが、田西のバッティング技術やパワーもそんなに違いはないんじゃないですか」
昨夏の甲子園、3試合で4安打4打点を挙げて、大会2勝の推進力になった左打ちのスラッガーだ。