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「フランスでブルーロックも大人気だ」名門誌編集長がベタボレ“世界的サッカー漫画”はキャプテン翼だけでない…なぜ“日本特集号”の表紙になったか 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byTomosuke Imai

posted2025/03/28 17:00

「フランスでブルーロックも大人気だ」名門誌編集長がベタボレ“世界的サッカー漫画”はキャプテン翼だけでない…なぜ“日本特集号”の表紙になったか<Number Web> photograph by Tomosuke Imai

フランス・フットボール誌「日本サッカー特集号」表紙を飾った『ブルーロック』。現代の日本が誇るサッカー漫画である

「われわれの雑誌の名前はフランス・フットボールだが、バロンドールを主催している雑誌でもあり、カバー領域は全世界に及ぶ。夏のオフシーズンには、ほぼ毎年、ある国やあるサッカーを取りあげて特集号を刊行している。2023年はイングランドの特集号だった。イングランドを取り上げたのは、ある意味必然でもある。サッカーの母国であり、世界で最も活気ある国でもあるからだ。

 2024年のテーマが日本になったのは、マシュー・ロシェというジャーナリストが日本に移り住んだことが大きな理由のひとつだ。一昨年の夏に彼は、日本のサッカーを取材するために東京に住み始めた。そこで彼はキャプテン翼の作者(高橋陽一氏)に会い、編集部に対して企画を提案した。本号でも彼はキャプテン翼のレポートと東京のルポルタージュを担当している。われわれ編集部もそのふたつに加え、他にもいろいろ取り上げれば日本特集号が組めるのではないかと考えた。実際、取り上げるテーマには困らなかった」

ブルーロックがフランスで人気…日本特集号の追い風だ

――そもそものアイディアがキャプテン翼から始まっているのは意外な気がしますが、たしかにキャプテン翼は全世界的な影響力を持っていますし、キリアン・エムバペやウーゴ・ロリスをはじめ多くの選手たちも影響を受けたと語っています。

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「フランスでは『オリビエとトム』というタイトルだが、私も子供の頃に夢中になった。マンガの人気はとても高かった(註:フランスでは従来からあるフランスの漫画をbande dessinee=バンド・デシネ、日本から輸入されフランス語に翻訳された漫画を〈manga〉と呼んで区別している。今日、多くの書店ではmangaのコーナーが設けられ、特に若年層ではバンド・デシネ以上に人気が高い)。私と同年代の40~45歳のフランス人にとってマンガとキャプテン翼の人気は絶大だった。その作者が連載の終了を宣言した。またフランスでブルーロックが人気を博していることも追い風になった。日本特集号を出すいい機会だと思った」

――というと?〈つづく〉

#2に続く
「日本サッカー特集号…とても売れたよ」フランス名門誌編集長がホンネで喜ぶ「クボはマンガで同僚と」「我々とドイツ、スペインに勝っただろ?」

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