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「SNSやってないから君の受賞はムリ」と言われたボランチがバロンドール「イニエスタに即返信」「マンCと代表が…幸運だ」ロドリの熱弁
posted2025/02/03 17:30

バロンドールのトロフィーにキスするロドリ。中盤深い位置の選手の受賞はサッカー史を変えたとも言える
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田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Visionhaus/Getty Images
バロンドール2024を振り返る連載の最終回(全3回/3回目)である。
ロドリのバロンドール受賞について、ヴァンサン・ガルシア・フランスフットボール誌(以下FF誌)編集長はこう述べている。
「まずスペイン人の受賞がとても久しぶりだ(1957年、59年のアルフレッド・ディステファーノ、1960年のルイス・スアレス以来史上3人目)。素晴らしい選手であり、戴冠自体は驚きではないが、守備的MFの受賞は非常に稀で歴史的な出来事といえる」
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またレキップ紙サッカー部門のキャップであり、フランス・スポーツジャーナリスト組合(UJSF)の会長を務めるヴァンサン・デュルックも次のように語っている。
「ボランチの選手がバロンドールに選ばれた。それは公正なことであり、ひとつの兆候でもある。このアーキテクトのソリストへの反撃はまたFF誌の100人の投票委員たちが、数字を残した攻撃のスターたちを王様に仕立て上げるよりも、知性や公正さ、コレクティブな感覚を重視した証左に他ならない」
たんにリオネル・メッシ=クリスティアーノ・ロナウドの時代が完全に終焉しただけでなく、ロドリという攻撃のスターではない選手が受賞したことに大きな意味があると、ふたりは口を揃える。
ではロドリ自身は何を思い、どんな言葉を発しているのか。連載の最後に、彼自身のコメントをお伝えしたい。
一部の人たちがビニシウスを…信じられなかった
ロドリは受賞の理由をこう語っている。
「今季は同じリズムを保ちながらプレーができた。そしてゴール前でのインパクトが昨季以上だった(12得点、14アシスト。2022~23シーズンは4得点、9アシスト)。そのうえ出場した公式戦は1試合しか負けていない。さらにEUROではスペインが優勝し、僕が大会最優秀選手に選ばれた。高いレベルのパフォーマンスを継続的に発揮できると思えるようになった。
2023年(5位にランクイン)に比べ、今回は本当のチャンスだった。そして幸運にも自分の名前を聞くことができた。ことに特別だったのは、一部の人たちが別の名前(ビニシウス)を挙げていたからだ。だからジョージ・ウェアが僕の名前を言ったときは信じられなかった」
事前の通知はいっさいなかったという。だからスピーチの準備もまったくしていなかった。