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「何でも出来る。しかしまだ何者でもない」中日・根尾昂の現在地「内外野→先発投手→リリーフ」悩める神童に涌井秀章が伝えた“たった一つの助言” 

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2025/02/27 11:00

「何でも出来る。しかしまだ何者でもない」中日・根尾昂の現在地「内外野→先発投手→リリーフ」悩める神童に涌井秀章が伝えた“たった一つの助言”<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

DeNAとの練習試合に登板した根尾

「美しい立ち姿」が生むもの

 涌井も根尾も右投手。軸足の右一本で立つ姿を美しく。それが投球フォームの大原則だという。

「もちろん忘れずに。特にシャドーピッチングのときは意識してやっています」

 根尾は2月以降も美しい立ち姿の追求を、継続していると話した。簡単ではない。「波を小さくして、安定した強いボールをゾーンに投げられるように」精進を続けてはいるが、実戦でのマウンドは知らないうちに力みを生む。「ボールが暴れてしまうのは課題」であり、つまりはリリースポイントがばらついているということだ。

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 内野手、外野手、先発、リリーフ。わずか6年間で根尾はこれだけの役割に挑戦してきた。それはチームの方針が一貫していなかったともいえるし、それだけ根尾には可能性があったともいえる。

「器用さ」ゆえの懊悩

 多くの選手が試合に出るために内外野を兼務したり、先発からリリーフに回ったりと、2つをこなすのがやっとの世界なのに。根尾はどれもやれそうに見える。しかし、どの山も、登り切る前に下りてきた。引き返すなら早いほうがいい。いやあのまま登らせていたら……。

 どちらが正しいかは、誰にも証明は難しい。一ついえるのは、根尾も4月で25歳。今、挑んでいるリリーフの山を登り切れなければ、プロでの成功は難しくなる。涌井が教えてくれた右足での美しい立ち姿。登頂成功への大切なポイントなのかもしれない。

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