甲子園の風BACK NUMBER
「根尾は直立不動、中田翔はカラオケ大会」吹奏楽部の“カリスマ監督”が明かす大阪桐蔭の歴代選手秘話…「毎回アウェーの雰囲気」という甲子園での“秘策”は?
posted2023/08/22 11:03
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
JIJI PRESS
コンサートで全国各地を飛び回る人気部活の大阪桐蔭吹奏楽部。甲子園スタンドで熱い音を届ける彼らと野球部との関係は? 吹奏楽部の監督で、京都文教短期大学客員教授もつとめる梅田隆司氏が、中田翔や藤浪晋太郎らプロ野球で活躍するOBとの、知られざる秘話を振り返った。〈大阪桐蔭ブラバン徹底解剖・全3回の#3/#1から読む〉
大阪桐蔭吹奏楽部の梅田隆司監督は、吹奏楽部ができた翌2006年に監督に就任。以降、同校の野球部は毎年のように甲子園に出場しており、吹奏楽部は約180人の全部員でアルプススタンドに駆けつけてきた。
野球部や吹奏楽部は、全国の頂点を目指す体育・芸術コース「III類」に属し、強豪のラグビー部やサッカー部などとともに、生徒は同じクラスで学んでいる。距離の近いクラスメートということもあり、応援に力が入るのは当然のことだろう。
「野球部さん」の距離感とは無縁
毎年アルプススタンドの吹奏楽部を取材している筆者は、吹奏楽部と野球部の関係性にも注視しているが、中には吹奏楽部が野球部のことを「野球部さん」と“さん付け”で呼ぶなど、「距離の遠い」関係性の学校も少なくない。想像するに、学校の中で野球部の存在が大きすぎて、吹奏楽部の生徒たちは緊張してなかなか話しかけることができないのだろう。そのような距離感の野球部からは、「校内でも、もっといろんな人と気軽に話したい」という声も聞いたことがある。
全国的に知られる強豪野球部だって、みんな同じ高校生。一度しかない青春時代、楽しみたいに決まっている……! その点、大阪桐蔭は野球部員と吹奏楽部員が同じ教室で机を並べているということもあって、選手たちはクラスメート。応援により一層力が入るのは当然のことだろう。