プロ野球PRESSBACK NUMBER
「星野仙一監督が鉄拳制裁説」中日批判記事を書いた記者は翌日、監督室へ…江本孟紀が聞いた生々しい話「そこが星野さんのスゴさとしたたかさ」
text by

江本孟紀Takenori Emoto
photograph byKazuhito Yamada
posted2025/02/23 17:03

闘将と鉄拳制裁のウワサ。中日時代の星野仙一監督についての逸話とは
3/3 ページ目
この記事を1ページ目から読む
そう覚悟を決めた途端、
「もうええわ」
星野さんのこの一言で、記者は監督室から解放された。
ADVERTISEMENT
記者を殴るなんてことは当然、星野さんだって考えていなかっただろう。そんなことをしたら大騒動になるだけでなく、監督の座だって危うくなる。
しかしこういう態度を示して、自分の批判記事がパッタリなくなってくれれば、後は自分の信じたとおり思いっきりチームを指揮できる。
独裁者のようだが…すごさとしたたかさを垣間見た
おそらくチーム内には、星野さんから殴られた選手は数知れずいたことだろう。後から次々と明らかになったのが、星野さんに殴られた選手は試合後、マスクをして帰ったり、誰もいないことを見計らって、腫れた顔を冷やしながらこっそり駐車場に向かったというのだから驚きだ。
まさに独裁者のようなやり方だが、ここに星野さんのすごさとしたたかさを垣間見る思いがしたのもまた事実である。〈つづく〉
