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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「キム・イェジュンのわき腹が…」井上尚弥の“ボディ3連発”で悶絶「すさまじい音がしました」世界的カメラマンの証言「それでもキムは勇敢だった」
posted2025/01/30 17:04
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危なげなく挑戦者キム・イェジュンを退けた井上尚弥。カメラマンの福田直樹氏がリングサイドで感じた「ボディの衝撃音」とは
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福田直樹Naoki Fukuda
photograph by
Naoki Fukuda
キム・イェジュンが悶絶した「すさまじい音」のボディ
4ラウンドは井上選手の攻めがさらに大胆になりました。ひとつひとつのパンチに力を込めて、ガードの上からでも大きなスイングの右を叩き込む。マーロン・タパレス戦(2023年12月26日)以降、TJ・ドヘニー戦(2024年9月3日)、そして今回と、井上選手はパワーを前面に出したボクシングを展開することが増えてきた印象です。言ってしまえば、緻密で精巧な技術を出す以前の戦力で倒せている。理路整然というより、パワー寄りのボクシング。力量差があるからこそできる攻め方です。
劣勢のキム選手も頑張って出てきてはいましたが、すぐにジャブと右の強打で追い込まれた。井上選手の動きが1、2、3、4ラウンドとどんどん活発になっていって、完全にフィニッシュモードに入っていました。
KO直前の左ボディも、1発、2発まではキム選手もなんとか耐えていた。それでも3発目は耐えられなかった。井上選手が得意とする“抜けていくようなボディ”です。すさまじい音がしました。「来い、来い」というキム選手に強烈な左ボディを続けたあのシーンは、容赦ない“詰め”に入っていたような気がしますね。もう、効かせるまで打ってやろうと。
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こらえきれずにキム選手が横に回ってガードが下がったところに、力が逃げず、完璧な状態で伝わるワンツー。今回も見事なフィニッシュでした。ダウンしたキム選手が、苦悶の表情で右のわき腹を押さえていましたよね。タフなボクサーなのでワンツーだけならまだ立ち上がれたかもしれませんが、あのボディのダメージは……。タオルが投げ込まれたのも仕方ないと思います。