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「来年、早稲田は強いね…」青学大・原晋監督も思わず脱帽? 強豪大の監督が勢揃い…「全国男子駅伝で激走」箱根駅伝“注目ルーキー候補たち”
posted2025/01/25 11:00
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Satoshi Wada
1月19日に開催された全国都道府県対抗男子駅伝は、シーズン最後の全国規模の駅伝大会とあって、どこかお祭りのような華やかさがある。決して手を抜いているというのではなく、選手たちも真剣勝負を楽しんでいるように見えた。
この大会の楽しみの1つが、3区間ある高校生の走りだ。
いくつかの大学はすでに来季の入学生を公表しており、全国高校駅伝の後には地方紙や専門誌などで有力な高校3年生の進路先が掲載された。箱根駅伝が終わったばかりだが、来季の大学の勢力図を想像しながら都道府県駅伝を見るのも楽しい。
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筆者はまず1区7kmの2km過ぎ、西広島駅前で観戦した。
そこには「中央大学」の白い幟を持った応援団が陣取っていた。
冷静に考えれば、この光景が異様であることに気づく。なぜなら1区は高校生区間で、中大の現役学生が走ることはないのだ。つまり彼らは4月からの新入生に声援を送っていたということだ。中大の新入生はすでに発表されており、1区には長野の濵口大和(佐久長聖高)、福岡の辻誉(福岡一高)、三重の杉本憲亮(高田高)の3人が出走していた。
注目の1区区間賞・濱口(長野)は中大へ
注目は、5000mで高校歴代4位の記録を持ち、昨夏のU 20世界選手権に2種目(3000mと5000m)で出場した濵口だ。
「1区は流れを作ることが最重要の役割だと思っていたので、区間賞を目標にしていました。前半は集団の良いペースに乗り、後半は、自分はスプリント力があるのでそれで勝負したいと思っていました」
2kmの時点では、高校2年生の新妻遼己(兵庫・西脇工高)、増子陽太(福島・学法石川高)が積極的に先頭を走っていたが、大声援を受けた濵口もプラン通りにレースを進め、しっかりと3番手に付けていた。
そして、終盤は近江亮(宮城・仙台育英高2年)や増子とのラストスパート合戦を制し、トップでタスキリレーを果たした。暮れの全国高校駅伝ではチームは優勝を果たしたものの、自身は1区4位に終わっており、その悔しさを晴らすレースとなった。
レース後、「少し気が早いが箱根駅伝で走りたい区間は?」と問われた濵口の回答は、今回の駅伝と同じ「1区」だった。
「中央大学の1区は吉居大和さん(トヨタ自動車)、駿恭さん(3年)が区間賞を獲って感動を与えてくださったので、次は自分が継ぎたい」