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「来年、早稲田は強いね…」青学大・原晋監督も思わず脱帽? 強豪大の監督が勢揃い…「全国男子駅伝で激走」箱根駅伝“注目ルーキー候補たち”
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2025/01/25 11:00
駅伝強豪校以外からも有力ランナーが集まる全国男子駅伝。いずれも来年度以降は大学駅伝でも注目される選手たちだ
先頭に立ってなお、佐々木は後方にいる鈴木の存在を気にしていた。そして、終盤もスピードを緩めず、従来の区間記録を20秒も更新。8.5kmを23分32秒という驚異的な区間新記録を打ち立てた。
5区は一般区間の3区と同じ距離。コースは違うので単純に比較はできないものの、3区区間賞の塩尻和也(群馬・富士通)よりも4秒速かった。
一方、17位でタスキを受けた鈴木もまた、前を行く選手を次々にかわしていった。
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「都大路に全てのピーキングを持って行った分、正直、調子が戻らなかったのですが、前を追って行くなかで、思ったよりも体が動きました」
区間賞こそ佐々木に譲ったが、鈴木もまた従来の区間記録を上回る23分46秒で走り、14人を抜いて3位に押し上げる活躍を見せた。
青学大・原監督も「世界と戦えると思います」
「一歩一歩がゆったりしているんですね。全く力感なく走っている。30年に1人の逸材ですね」
「全くしんどさを感じない。淡々と力感なく走っているんですよね。もうこのままマラソンも走れますよ、この選手は。将来2時間3分台が出るランナーですね。世界と戦えると思います」
ラジオ中継の解説を務めていた原監督も、鈴木の走りを大絶賛していた。
また、佐々木と鈴木の2人の走りに対して、このように総括していた。
「素晴らしい走りでしたよね。この区間は単独走になる傾向にありますので、自分のマネジメント能力が問われる。8.5kmの距離で自分の力を100%どう発揮するか。非常に難しいコースを、きちっと佐々木君と鈴木君は走り切りました」
原監督は、ライバル校の新入生の走りに思わず唸らされたようだった。
佐々木と鈴木は2月上旬に入寮し、そのまま宮崎・延岡での春季合宿に参加するという。
「気が早いですけど、『箱根は1年目から走りたいね』って話をしています。トラックは、自分は1500mか5000mで、佐々木君は3000m障害なので、戦えないけど、順位で競おうと話をしています」
鈴木がこう話すように、共に1年目からの活躍を誓っている。
「都大路の走りを見たら、鈴木君のほうが断然力はある。トラックシーズンの土俵は違いますが、それぞれの道を究めていく“同志”だと思っているので、お互いに刺激し合いながらやっていきたいです。大学4年間、夏シーズンは世界選手権やアジア大会、オリンピックと国際大会が続くので、しっかり出場したい。また、強い同級生と頼れる先輩と一緒に、箱根駅伝の総合優勝を目指して頑張りたいと思います」
佐々木は、ライバルとして鈴木と切磋琢磨し合い、数々の目標を実現させていくつもりだ。