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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
青学大“箱根駅伝ランナー”10年間の進路を調べてみたら…「じつは4割がすでに引退」OBたちの意外なその後「マラソンで覚醒した“あの選手”も」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2025/01/22 11:04
2025年の箱根駅伝5区で区間新記録をマークした青学大の若林宏樹。2月2日の別府大分毎日マラソンを最後に競技生活を終えることを明かしている
大学時代は下田とダブルエースと称された田村は、卒業後は5000m、10000mのトラックが主戦場になった。2019年の日本選手権10000mで優勝。東京五輪代表を懸けた20年12月の日本選手権10000mで当時日本歴代3位の27分28秒92をマークしたが参加標準記録に届かず、代表入りを逃した。その後、怪我で苦しんだが今年のニューイヤー駅伝では3区区間賞を獲得。ロードではなく、トラックでの世界選手権、ロス五輪出場を目指している。
下田は大学時代からマラソンを走り、19歳で出場した2016年の東京マラソンで総合10位(日本人2位)の2時間11分34秒をマーク。男子マラソン・ジュニア(10歳代)日本最高記録を更新した。卒業後はマラソンで東京五輪、パリ五輪出場を目指すも叶わず。しかし昨年の別府大分毎日マラソンで総合2位(2時間08分24秒)に入り、復活を果たした。現在はマラソンでの東京世界陸上出場を目指している。
マラソンで日本人歴代3位…覚醒した“あの選手”
彼ら以降の世代のなかで、特に活躍しているのが吉田祐也だ。大学4年時に「思い出作り」として出場した別府大分毎日マラソンで、学生歴代2位・初マラソン歴代2位(いずれも当時)となる2時間08分30秒の好記録をマーク。日本人トップの3位入賞を果たし、ブルボンへの就職を撤回。GMOアスリーツで現役を続けることになった。
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卒業後、2020年12月の福岡国際マラソンでマラソン初優勝(2時間07分05秒)。その後、伸び悩んだ時期もあったが青学大をベースに練習することで走力を高め、昨年12月の福岡国際マラソンでは、日本人歴代3位の2時間05分16秒で優勝した。青学大OBとして、世陸や五輪に一番近いところにいると言っていいだろう。
これから活躍が期待される選手もいる。2023年卒の近藤幸太郎は、昨年2月の熊日30キロで優勝。卒業後2、3年はマラソンへの準備期間としており、初マラソンへの挑戦が楽しみだ。2024年卒の佐藤一世も昨年11月の日体大記録会10000mで28分05秒06をマークして自己ベストを更新するなど着実に成長しており、今後への期待が膨らむ。
<後編では、青学大OBの“その後”についてさらに深く掘り下げています>