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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
青学大ランナー“10年間の進路”「箱根駅伝で燃え尽きる」説は本当なのか? 原晋監督「実業団の監督はつまらない」批判に見る“陸上界のトレンド”
posted2025/01/22 11:05
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Nanae Suzuki
優秀な選手が卒業時に引退するケースも
大学時代の実績を見れば、一色恭志(2017年卒)、森田歩希(2019年卒)、鈴木塁人(2020年卒)、吉田圭太(2021年卒)らは表舞台に出てくるべき選手だが、もうひとつ殻を破りきれないでいる。また、高橋宗司(2015年卒)、安藤悠哉(2017年卒)、池田生成(2017年卒)、神林勇太(2021年卒)、そして今春に卒業する若林宏樹は能力があるにもかかわらず、「箱根でやり切った」と引退に踏み切った。優秀な選手の卒業時点での引退も、青学大のひとつの特徴かもしれない。
優勝街道を走り始めた時から現在まで箱根路を大いに賑わせた選手が多いが、「箱根経由、世界行き」という観点で見ればやはり物足りなさを感じてしまう。そのためか、「青学大の選手は箱根で燃え尽きてしまい、実業団に入っても伸びない」と言われがちだ。
実際、現時点では青学大OBで日本のトップに立ち、世界で戦った選手はいない。マラソンの大会では結果を残しているが、五輪に通じる過去2回のMGCで10位内に入った選手は2019年の橋本崚(5位/2016年卒)だけで、2023年は横田俊吾(2023年卒)の30位が最上位だった。田村和希(2018年卒)もトラックでのパリ五輪行きを逃している。
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ただ、「駅伝を走れるなら個人種目でも結果を出せるはず」という見方はいささか安易だとも言える。逆の場合もそうだが、長距離はそんなに簡単なものではない。もしそうであれば、青学大に限らず、箱根で区間新や区間賞を獲得した選手はバンバン世界に飛び出していっているだろう。