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高校サッカー“PK戦途中で中継終了”だけでなく…「大雪順延→決勝は録画放送」「坊主頭vs金髪の司令塔」“テレビに映らない”衝撃の事件簿 

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photograph byKoji Watanabe/Getty Images

posted2025/01/14 17:02

高校サッカー“PK戦途中で中継終了”だけでなく…「大雪順延→決勝は録画放送」「坊主頭vs金髪の司令塔」“テレビに映らない”衝撃の事件簿<Number Web> photograph by Koji Watanabe/Getty Images

前橋育英と流通経済大柏の白熱した決勝戦。全国高校サッカー選手権には独特の磁力がある

 決勝戦、埼玉スタジアム2002には4万1337人の観衆が詰めかけ、ブラスバンドやベンチ外の選手、さらには観客の歓声がとどろいていた。ゆえに選手間の声でのやり取りはほぼ聞こえない状態だったようだが……悲願の大会初優勝を果たした前橋育英のキャプテン、田部井涼は山田耕介監督から「ゼスチャーで意思を伝えるから」と、身振り手振りでピッチ内での意思統一を図っていたという。

 そこから7年後……軍配は再び前橋育英に上がった。しかし当時からさらに1万7000人余りの観客が増えた中での好ゲームには“両校優勝でもいいのでは”との声にも納得がいく。

大雪順延→決勝戦が録画放送になったことも

<名言2>
たくましい気持ちを持ってくれて、技術的にも精神的にも強くなっていくのが日に日に見えました。
(松崎博美/NumberWeb 2013年1月21日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/329872

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◇解説◇
 首都圏開催となった1977年以降、選手権でたびたび起こるのは「気候のいたずら」である。特に年明けから1週間ほど経つ準決勝、決勝のタイミングでは南岸低気圧の影響で天気が崩れることがあり、時に雪中でボールを蹴りあう展開となることがある。

 もっとも有名なのは本山雅志らが在籍した東福岡と、中田浩二らを擁した帝京が相まみえた第76回「雪の決勝」だが……そこから15年後の第91回大会、再び思わぬ事態が起きた。宮崎の鵬翔と京都橘がそれぞれ決勝まで勝ち上がったものの、試合当日の1月14日朝から降り出した雪は、東京都心で8センチの積雪を観測し、主催者側も想定外の事態となったため、19日に順延されることが決まった。

「ええっ! 国立まで来たのに、中止になっちゃうの!」

 かつての東京・国立競技場には先着3000人の無料招待で、数多くの小学生や高校サッカーファンが集まっており、まさかの事態に嘆息が漏れた。19日は当時のセンター試験の開催日だったが両校に試験を受ける選手がいなかったために日程変更となった。その順延された日程では、試合は12時5分キックオフだったものの放送は13時45分からスタートの録画放送となった。

【次ページ】 名場面でなかなか見られない“金髪の司令塔”

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