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「詳細は言えませんが」田中碧が記者の質問に笑み…衝撃の“モドリッチ級”数値「あの時はまだでした」三笘の1ミリから2年、リーズで覚醒の真相
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byRobbie Jay Barratt-AMA/Getty Images
posted2025/01/18 11:02
リーズで躍動する田中碧。イングランドの地でも日本代表でも、今後への飛躍を予感させる時を過ごしている
ちなみに、ペドリやガビ(バルセロナ)、ベリンガム(レアル・マドリー)、チャルハノール(インテル)、ロカテッリ(ユベントス)、ライス(アーセナル)らでも、1度も「92.95」を超えていない。ビッグクラブで一人が大きな影響力を残すのは難しいとはいえ、田中の「アクション」がいかに突出しているかがわかる。
また、Optaのこんなデータも衝撃だ。プレミアリーグからEFLリーグ2まで、つまりイングランドの1部から4部相当のリーグの全選手のなかで、昨年10月以降1000本以上のパスと50回以上のタックルの両方を成功させた唯一の選手が田中だというのだ。
スーパーゴールも…ミドルシュート精度向上のワケ
様々なデータで彼の攻守にわたる奮闘ぶりを確認してきたのには理由がある。田中はすでに、「ウサギとカメ」の話に出てくる「カメ」のように――コツコツと続けてきた努力で確実な成果を上げているからだ。
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例えば、ミドルシュート能力の向上がそれにあたる。1月4日のハル・シティ戦でゴールネットを揺らしたミドルシュートは、「X」のリーグ公式アカウントで以下のように絶賛された。
「本当にヤバイ(頭が爆発の絵文字)」
そんなミドルシュートの能力の向上を知るため、渡欧後からのフォルトゥナ・デュッセルドルフでの最初の3シーズンの「シュート率/ペナルティーエリア(PA)外からのシュート率/枠内シュート率」の変遷を見ていこう。
21-22:25本/56%/24%
22-23:21本/48%/23.8%
23-24:29本/62%/45.2%
シュート数にそこまでの差はない。ただ、23−24シーズンはPA外からのシュート割合が増えた。エリア外からのシュート割合が増えたのであれば――“普通に考える“と、ゴールまでの距離が遠い分だけ、枠内シュート率は下がるはずだ。
しかし田中は、エリア外からのシュート率を増やしたにもかかわらず、枠内シュート率を“大幅アップ”させたのだ。最初の2シーズンの24%前後という確率から、45.2%まで向上させた。常識の逆を行くような推移だ。
その要因を尋ねると、答えはシンプルだった。
「まず、練習しています。練習することで『どう蹴ったら、枠に飛ぶのか』などの感覚をある程度、つかめてきたところはあると思います。技術的な部分は練習すれば、良いシュートが打てる確率は上がるだろうし」
“三笘の1ミリ”でのゴール、じつは…
田中の取り組みが興味深いのは、技術を磨くため“だけ”に練習しているのではないという点にある。
田中は、成功体験の脳への蓄積を大事にしている。