バレーボールPRESSBACK NUMBER

「試合終了は21時すぎ」「ダブルヘッダーはキツい」春高バレー過密日程に高校生の本音は…?「大人が言っても大人が流す」

posted2025/01/17 17:17

 
「試合終了は21時すぎ」「ダブルヘッダーはキツい」春高バレー過密日程に高校生の本音は…?「大人が言っても大人が流す」<Number Web> photograph by AFLO SPORT

今年も多くのドラマを生まれた春高バレー

text by

田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

PROFILE

photograph by

AFLO SPORT

 時計を見て驚いた。

 春高バレーが開幕した1月5日、この日を締めくくる男子1回戦の第8試合・雄物川対松阪工の試合が終わったとき、すでに21時を回っていたからだ。

 プログラムに記載された第8試合の開始予定時刻は17時20分。約2時間押してのスタートだった。朝に行われた開会式から13時間も経過している。

ADVERTISEMENT

 男子の試合が長引く傾向は翌日、さらに翌々日の大会3日目まで続いた。4面コートで進行された3日目は男女の試合がそれぞれ2コートずつ、各6試合を行った。例年ならば17時過ぎには終わる予定で、実際に女子はとうに終えているのに男子Cコートの試合を終えたときにはすでに19時を過ぎていた。

「バレーIQは間違いなく上がっている」

 春高3連覇を達成した駿台学園・梅川大介監督(42歳)は現状をこう語る。

「どのチームも無理な状況で決めようとせず、一度立て直してから攻撃していました。(特に男子は)組織的に戦うチームが増えたことで、簡単なミスは減り、ラリーが続く。試合時間が長くなっているのは間違いありません。ただ、それは個より組織が強くなっている象徴で、1人のエース頼みでは勝てなくなっているということでもある。SNSでいろんなチームや選手の映像も出てくるので、選手も指導者も見て研究するのが当たり前。全体のバレーIQは間違いなく上がっていると思います」

 梅川監督の言葉が表すように、強打一辺倒のチームは減りつつある。幼い頃から漫画『ハイキュー!!』に親しんできた世代であることに加え、さらには近年の男子バレー日本代表や王者・駿台学園の戦いぶりなど、SNSやYouTubeで質の高いバレーボールをいつでも見られる時代になったことで、1回戦から質の高いラリーを展開する高校が増えた。

 高校生たちのレベルは紛れもなく上がっている。ただ、いくら熱戦が続いたとはいえ、高校生の大会で21時を過ぎても試合が行われている現状に疑問が残った。
 
 各高校の指導者や選手がアップデートしているからこそ、運営面の課題は浮き彫りになる。

【次ページ】 3回戦と準々決勝が同日に…

1 2 3 4 NEXT
#駿台学園高校
#梅川大介
#三宅綜大
#鎮西高校
#畑野久雄
#共栄学園高校
#中村文哉

バレーボールの前後の記事

ページトップ