核心にシュートを!BACK NUMBER
「詳細は言えませんが」田中碧が記者の質問に笑み…衝撃の“モドリッチ級”数値「あの時はまだでした」三笘の1ミリから2年、リーズで覚醒の真相
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byRobbie Jay Barratt-AMA/Getty Images
posted2025/01/18 11:02
リーズで躍動する田中碧。イングランドの地でも日本代表でも、今後への飛躍を予感させる時を過ごしている
「点を取ることだけではなく、自分が主導で動ける動きに関しては、様々な方法を試して成功体験ができれば、それを増やしていけるのなと思います。相手からボールを奪うような細かいシーンも見て、『こうすれば奪えるのか!』と気づいたり」
例えば、守備面ではこんな理想をかかげて成功体験を積み重ねる作業に取り組んでいる。
「できればすべての局面でボールを奪い取れるようになりたいんです」
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田中は〈ヨーロッパの2部リーグ〉というカテゴリで4シーズン目を過ごしている。
端から見れば、くすぶっているように映るかもしれない。ただ、本人の中では、これから本当の勝負が始まると考えている。順調にプレミアリーグに上がったとすると、田中は来シーズン中に27歳になる。
「やはり、この先にプレミアがあるので。本当に試されるのは、そこで何ができるか。世界のトップリーグで10年とか、20年もプレーできるわけではなくて、限られた年数でしかないわけで。だから自分にとっては今、目の前にある1年、1年が大事なんです」
すべての局面で「弱点をなくしていく」
田中は、特別に速く走れるわけでも、高く飛べるわけでもない。一般的な日本人レベルの身体的能力の持ち主として、世界の頂点への道を目指す。成長するための仮説を立て、実験をしながら、最適解を見つけていく。そんな科学者のような頭脳を武器に、田中はこの世界の頂を目指していく。
「僕は(身体能力で)トップ・オブ・トップの選手じゃない以上、どの局面でも、どの試合でも、 どんなシチュエーションでも、自分が持てる力を100%、出し続けないといけないので。だから、攻撃も守備も、トランジションの瞬間に求められる能力でも、弱点をなくしていく必要があるんです」
超人的な能力をもっていないからといって、サッカーの世界でのし上っていけないわけではない。日本代表で田中が背負う17番を長年にわたって着用した長谷部誠などはその象徴だし、レアル・マドリーで10番を背負い、田中が「アクション数」で肉薄するモドリッチもしかり、だろう。
きちんと目標を掲げて、頭を使った努力を続けていけば――その先に大きな希望が広がっている。それがわかっているから、田中は今日も攻守でピッチ上を走り回るのだ。