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「はてなマークが少し…」連続MVPに芸術ミドル弾、絶好調なのにリーズ田中碧の自己評価が意外すぎ「まず80点を目指して75点」〈インタビュー〉
posted2025/01/18 11:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
George Wood/Getty Images
今はまだそれほどでも…が率直な感想です
「もちろん嬉しいことは嬉しいです。でも、『そんなに評価してもらえるところはあるかな?』と、〈はてなマーク〉も少しあるというか……」
1月4日、ハル・シティ戦で胸のすくようなミドルシュートで移籍後初ゴールを決めた田中碧はいま、そう考えている。
今シーズンから所属するリーズで10月、11月と2カ月連続でクラブの月間MVPに選ばれた。世界最高峰のプレミアリーグ昇格を目指し、首位に立つリーズで、中盤の底に構えるチームの心臓として――不動の存在となっている。
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「今はアンカーをやっているので、そのポジションで評価されるのはすごく嬉しいんですよ! 個人的にプレーの幅も広がっているし、守備に関してもある程度の手応えもあるし。
ただ、自分のサッカー観的には、『もっとこうしたいな!』という欲の方が強くて。もちろん、もっともっと上げていかないと……というのが率直な感想ではあります」
リーズは、エースのピルーがはリーグ26試合で10ゴールを決めている。とはいえチームとしてリーグ最多得点を記録しながら、特定のスコアラーに頼っているわけではない。というより、特定の選手にも頼る戦い方をしていない。それゆえ――。
「『タナカとプレーしたら、やりやすいな』と思ってもらえるような選手になりたい」
そんな理想を掲げる田中のようなタイプが、評価される土壌がある。そこに自分が後押しされていると謙虚に考えている部分もある。とはいえ、田中に悲観はない。登るべき山を見つけたドラマの主人公のようにも、解明すべき課題をたくさん与えられた学者のようにも見える。新たな挑戦に夢中になっているのだ。
「あぁ、来てよかったな」と思えた瞬間
リーズ移籍が正解だと確信したのは、練習初日のことだった。自身2度目の移籍だったから、2021年夏にフォルトゥナ・デュッセルドルフへ移籍したときより緊張はなかったが、練習グラウンドに立つまでは不安もあった。