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「辞めたければ辞めてもいい、という態度で…」原晋監督が反省する“監督1年目”の指導法…青学大から“選手への束縛”がなくなった深い理由

posted2025/01/02 06:02

 
「辞めたければ辞めてもいい、という態度で…」原晋監督が反省する“監督1年目”の指導法…青学大から“選手への束縛”がなくなった深い理由<Number Web> photograph by AFLO

2016年の箱根駅伝、完全優勝を達成し喜ぶ青学大の原晋監督

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原晋

原晋Susumu Hara

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今年も箱根駅伝が開幕する。前回大会で駒澤大から王座を奪還した青山学院大は、どのような王者の走りを見せるだろうか。

率いるのは原晋監督(57歳)。かつて予選会突破が目標だったチームは、なぜ常に注目を集め続ける強い集団に成長したのかーー。その秘密を解き明かす、原監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、「成長させたいなら、見守りなさい」の章を抜粋して紹介します(全3回の3回目)。

◆◆◆

「規則正しい生活を送りなさい」と指導する相手は子どもではなく、社会人一歩手前の大学生。生活改善がなぜ必要なのか、選手がその理由を理解するまでは口うるさく言いますが、生活を束縛するようなことはしません。

 例えばA君に毎日、いつどこでなにをしたかと日報を書かせたうえ、「お前、この空いていた時間にどこでなにをやっていたんだ」と怒るようなことはしません。門限の前に部屋の前に整列させて、点呼を取るようなこともしません。仮に束縛したとしてもルールを破る部員は必ず出てくるし、破らない部員は厳しくしなくても守ります。

管理、監視されて伸び伸びと仕事ができるでしょうか?

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 要は、規則正しい生活の目的を自覚できるかどうかの問題です。それが、自分の成長につながると気づいた部員は、誰に言われなくても規則正しい生活を送るようになります。4、5年前からは門限を破って、深夜や明け方にこっそり帰ってくる部員の姿を見かけなくなりました。

【次ページ】 「反省しています」監督就任直後の指導法

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