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落合博満42歳が苦言「巨人の若手は練習をやらされてるよ」落合vs松井の不仲説「正直に言います…」21歳松井秀喜が落合に宣戦布告した日―2024下半期読まれた記事
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byベースボール・マガジン社
posted2024/12/22 06:01
巨人時代の落合博満と松井秀喜。写真は1995年9月、このとき落合は41歳、松井は21歳
「本人に自覚を持ってもらうためには、肩書きを付けるのが一番なんですね。昔から地位は人を変え、向上させるというではありませんか。松井にとっても集大成の秋ですから、必ずやってくれるでしょう。ええ、やらせますよ」(週刊ベースボール1995年11月20日号)
長嶋監督はプロ4年目の来季こそ勝負の年と位置付け、“四番1000日計画”の仕上げに入ろうとしていた。だが、その1995年の秋季キャンプである異変が起きる。
20代の若手選手たちに混じり、なんともうすぐ42歳になる落合博満が志願参加したのである。「絶対に邪魔はしませんから」と3週間にわたり、1日2~3時間もカーブマシンをじっくり打ち込むオレ流調整。シーズン中、真ん中から外に逃げる変化球が見えなくて打撃が狂ってしまったので、その狂いを見つけ修正したかったのだという。先のシーズンで、リーグ4位の打率.311と史上最年長の打率3割を記録した男が、さらなる進化を求めてバットを振る理由を長嶋監督はこう見ていた。
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「カーブの打ち方について、あるテーマを持って秋季キャンプに臨んでいた。松井に対して、4番はやすやすとは譲れないという強い気持ちがあるんでしょうね。松井のほうも、落合が衰えたからというんじゃなくて、力で奪ってやろうという気持ちが前面に出てきたことがうれしいんだよね」(週刊現代1996年1月1・6日号)
落合が苦言「若手は練習をやらされている」
日に日に周囲も過熱する四番争いに対して、これまで表向きは「特別な意識はまったくない」、「ボクは別に何番でもいいんですけど」と興味を示さなかった松井の言動にも徐々に変化が現れる。元阪神の四番打者・田淵幸一との対談企画では、はっきりとオレ流への宣戦布告を口にしたのだ。
「正直にいいます。4番は、落合さんのいるうちにとりたい。きっちり結果を出して、絶対に実力で4番をとりたいという気持ちです。王さんや長嶋監督を筆頭に、これまでの巨人の4番打者というのは、あまりにも偉大でした。落合さんにしても、過去に3度も三冠王になったという実績がある。(中略)落合さんを尊敬する気持ちは強いけど、その落合さんから4番の座を奪えたら、という気持ちも同時にある」(週刊現代1996年2月24日号)
もちろん数々の修羅場をくぐり抜けてきた落合も黙っちゃいない。