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あの「黄金世代」から5年…東海大まさかの落選 「留学生級」スーパーエース抜きの東農大は1秒差で涙…箱根駅伝“大波乱の予選会”はなぜ起きた?
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph byYuki Suenaga
posted2024/10/21 11:03
トップ通過も予想された東海大は主力のアクシデントもありまさかの落選。「黄金世代」を擁した総合優勝からわずか5年で箱根路から姿を消すことになった
ゴールまで残りわずか10メートルというところで、チーム10番目を走っていたロホマン・シュモン(3年)が2度目の転倒。重度の熱中症により意識を失い、途中棄権となったのだ。これも焦りと暑さによる影響が大きかったのだろう。
もしロホマンがゴールしていれば通過は固かったが、個人396位と苦しんだ越のゴールを待たなければならず、東海大は12年連続の出場を逃した。
花岡が唇を噛んで、こう話す。
「ゴールして、監督からロホマンのことは聞きました。チームのために最後まで力を振り絞ってくれた結果なので、彼を責めたくはないです。この大学にいれば4年間箱根に出られると思っていたんですけど、やっぱりそこに対する自分たちの甘さであったりとか、行けるだろうって気持ちがどこかにあったと思う。また一からチームを作り直して、来年は絶対に出たいと思ってます」
古豪・明大も7年ぶりに本大会出場を逃す
波乱は他にもあった。
古豪である明治大の予選落ちだ。
近年は予選会出場が常例になりつつあるが、過去3年は1位、2位、2位とまったく危なげなく通過してきた。だが今回はついに選外(12位)に漏れ、7年ぶりに本大会出場を逃す結果となった。
エース格の尾崎健斗(4年)や森下翔太(3年)、今季好調の東原豪輝(4年)らが出場するも、みな3桁の順位と奮わず。前回の箱根で好走した綾一輝(2年)、鈴木祐太(4年)の両名は故障でスタートラインに立つことすら叶わなかった。
やはり、チーム状態が万全でなかったことが影響したのか。園原健弘競走部監督が苦しい台所事情を説明する。
「ベストメンバーは組めてないんですけど、それはどこも同じでしょうからね。うちが走ってほしい選手、綾とか鈴木、ああいう主力をきちんとスタートラインに立たせてあげられなかった、チームの仕組み自体が問題ですよね」