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野球クロスロードBACK NUMBER
今夏の甲子園で気づいた“新たな監督トレンド”とは? 慶應高「エンジョイ・ベースボール」から1年…躍進した若手指揮官たちの「ある共通点」
posted2024/08/27 06:00
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Hideki Sugiyama
京都国際の初優勝で幕を閉じた今年の夏の甲子園。史上初の決勝戦でのタイブレークや、今季から導入された飛ばないバットが注目されるなど、今年も多くの話題が生まれた大会となった。振り返れば昨夏の甲子園は、慶應義塾の107年ぶりの全国制覇と「エンジョイ・ベースボール」という言葉が社会現象になった大会だった。そんなエポックメイキングな出来事から1年――昨年からの大きな流れは変わらない中で、今年の甲子園で見られた「変化」とは何だったのだろうか?《全2回の1回目/つづきを読む》
慶應高の「エンジョイ・ベースボール」から1年
1年前の夏の甲子園は、高校野球のあり方を再度、考えさせられたような大会となった。
その道しるべとなったのが、優勝校の慶應義塾であり、準優勝校の仙台育英だった。
慶應義塾はエンジョイ・ベースボールが大々的に脚光を浴びた。チームのモットーについて、監督の森林貴彦は「単純な楽しさを示すものではないんです」と念を押した上でこのように意義を述べている。
「その先にある新しい世界に到達し、見たとのない景色を見るために、選手それぞれが目的意識をもって努力していく。そうすれば、より高いレベルの野球が身につき、楽しめるようになるよね、という意味があります」