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プロ野球PRESSBACK NUMBER
坂本勇人“だれも指摘しない”不調だった原因…元ロッテ名選手が語る「守備転向の難しさ」門脇誠かモンテスか…巨人“ポスト坂本”の重圧
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byNanae Suzuki
posted2024/08/10 11:02
昨季からサードに転向した坂本勇人(巨人)
「ハートが強いから乗り切れたのだと思います。エラーしても、すぐに切り替えられる選手じゃないとショートは務められない。最も多く打球が飛んできますし、引きずっていてはダメなんです」
サードに転向…坂本はなぜ打撃不調?
坂本はミスをしても、バットで取り返していた。2011年9月13日の横浜戦ではサヨナラ悪送球をしたが、翌日は4打数4安打で勝利に貢献。シーズン中は切り替えを大切にしながら、悔しさも忘れなかった。2012年、ヤクルト・宮本慎也の自主トレに志願参加してコツを掴むと、年々守備力を向上させていった。
「2年目の門脇がプレッシャーに負けてしまうのは仕方ないし、悩むことも大事です。若いうちに良い経験ができたと思えばいい。守備にもスランプはあります。1年間ずっと良い体調でプレーできるわけではないですから。でも、調子の波を安定させるには、シーズン中もひたすら練習を続けるしかない。それをしないで、レギュラーになった選手を見たことありません。一方で、スランプになったら、野球を全て忘れてボッーとする日を作ってもいい。坂本のように切り替えの上手さを身につけないと、プロでは戦っていけません」
巨人の優勝には、坂本の復活も欠かせない。今季は不振で6月には二軍落ちも経験。現役時代に同じコンバートを命じられた水上は、2つのポジションの役割の違いが坂本の不調に繋がったと考える。
「ショートは球場の360度に目配り、気配りをしなければならない。例えば、1死一、二塁で長距離砲が打席に入れば、『もし左中間に打たれたらレフトは肩が弱いから、返球の距離を短くしよう。一塁ランナーは俊足だからホームに帰る可能性もある』と考えます。いくつもの打球方向、その後の仕事を予測しながら、相手チームの雰囲気も察する。三塁コーチャーが通常より前に立っていたり、野次っていたベンチが急に静まったりすれば、サインが出るかもしれない。瞬間的に、次の場面を8つくらい思い浮かべます。そして、打者の仕草やキャッチャーのサインを見ながら、1球ごとに想定場面やポジショニングの微調整をしていく。ショートは“野球脳”の高い選手しかできないポジションであり、“グラウンドの支配者”です」
一方、サードの仕事量はどうなのか。