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坂本勇人“だれも指摘しない”不調だった原因…元ロッテ名選手が語る「守備転向の難しさ」門脇誠かモンテスか…巨人“ポスト坂本”の重圧

posted2024/08/10 11:02

 
坂本勇人“だれも指摘しない”不調だった原因…元ロッテ名選手が語る「守備転向の難しさ」門脇誠かモンテスか…巨人“ポスト坂本”の重圧<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

昨季からサードに転向した坂本勇人(巨人)

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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Nanae Suzuki

 巨人4年ぶりの優勝には坂本勇人の完全復活、安定感のあるショートの台頭が欠かせない。現役時代、遊撃手としてロッテで球団史上最多の1204試合に出場した水上善雄が「誰も指摘しない坂本が不調だった理由」「突然の復調のなぜ」「門脇誠が不振に陥った原因」をNumber Webで分析した。【全2回の2回目】※敬称略。肩書きなどは当時。記録は8月9日現在

◆◆◆

あの坂本勇人が昨季からサードに…

 ショートの固定は、ペナント制覇に必須である――。過去10年の優勝チームを調べると、20例中16例で、遊撃の先発出場の8割以上を1人の選手が占めていた。2016年からの広島3連覇では田中広輔が3年連続フルイニング出場。ソフトバンクの優勝4度のうち3度は今宮健太、西武の連覇では源田壮亮、巨人の連覇では坂本勇人が9割以上守った。

「昔から言われるように、センターラインの安定したチームは強い。中でも、ショートの役割は重要です。昨年、阪神は木浪聖也を固定できて、日本一になれた。かつて黄金時代の広島には高橋慶彦さん、西武には石毛宏典さんがいました」

 巨人の遊撃には2008年から16年間に渡って、坂本勇人が君臨していた。その間、MVP、首位打者、最多安打を1度ずつ獲得し、7度の優勝をもたらした。しかし、2021年から故障が目立ち始めると、チームも下降線を辿る。そして、ルーキー・門脇誠の台頭があった昨年9月、三塁へコンバートされた。

「ショートはあらゆるケースに備える分、疲労が蓄積されます。捕手が投手に返球する時も暴投を想定してカバーリングに入る。プロではまず起こらないですが、ランナーがいれば絶対に行く。目に見えづらい部分も含め、かなり負担が大きい」

昨季ブレイクの門脇が不調に…なぜ?

 門脇は昨季、坂本がコンバートに納得せざるを得ないほど好守を連発。阿部慎之助監督は今季、「遊撃・門脇」の固定を明言した。だが、5月10日のヤクルト戦(神宮)から31打席連続無安打。17日広島戦(マツダ)は1試合2失策で途中交代となり、翌18日の同戦で初めてスタメンを外れた。遊撃での出場を見ると、昨季は65試合で2失策だったが、今季は67試合で9失策。最近はベンチを温める機会が増え、7月の遊撃の先発出場はルーキー・泉口友汰が12試合、門脇が7試合、新外国人のモンテスが1試合だった。

【次ページ】 坂本勇人が絶対的ショートになるまで

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