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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「今回のパリ五輪は日本サッカーの分岐点に」中村憲剛が展望する“これからの五輪世代との向き合い方”「中心選手を招集できなかったとしても…」
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![中村憲剛+戸塚啓](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2024/08/07 11:04
![「今回のパリ五輪は日本サッカーの分岐点に」中村憲剛が展望する“これからの五輪世代との向き合い方”「中心選手を招集できなかったとしても…」<Number Web> photograph by Takuya Kaneko/JMPA](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/4/3/700/img_43ecfc2a5b2e4a7979f3dd5d9a40f890325138.jpg)
攻守に躍動し、U-23日本代表を牽引したキャプテンの藤田譲瑠チマ。さらなるステップアップやA代表での活躍に期待がかかる
短期間で一気に成長した日本の選手たち
大会前にOAがもっとも必要と言われたポジションはCBでした。ここでは木村誠二と高井幸大が奮闘しました。短期間で成長を強烈に感じました。同じことは藤田譲瑠チマにも、山本理仁にも言えることです。
準々決勝を終えたいまも、OAを招集することができなかったのは決してマイナスではなかった、と感じています。そのうえで言うと、今回のパリ五輪は日本サッカーにとってひとつの分岐点になったのでは、と思います。
OAではなくパリ五輪世代の選手でも、久保建英、鈴木唯人、鈴木彩艶らが招集の対象から外れ、松木玖生も今夏の移籍のために招集できませんでした。
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パリ五輪で戦った佐藤恵允は、大学からJリーグを経由せずにドイツのクラブに加入しました。高校卒業とともにヨーロッパのクラブでプレーする選手も増えていて、「五輪世代の海外組」は今後さらに増えていくことが予想されます。
五輪代表の強化のスタンスは、「ヨーロッパでプレーする選手もできる限り招集しよう」というものでした。しかし、今回のパリ五輪を受けて、「招集できない選手がいても、世界で勝負できるようにする」というのが、これからのスタンスになっていくのではないでしょうか。とても難しいことですが、そうなるのだと感じます。
日本戦2ゴールのロペスが“EUROでは控え”の現実
日本戦で2ゴールをあげたスペインのフェルミン・ロペスは、先ごろ開催されたEUROの優勝メンバーです。ただ、彼自身は1試合出場でプレータイムはわずかに28分です。パリ五輪に出場できるニコ・ウィリアムズ、ラミン・ヤマル、ペドリらは、代表でプレータイムが多かったためにメンバーに選ばれていません。EUROでは出場機会の限られたフェルミン・ロペスやアレックス・バエナといった選手が、U-23世代では中心となっています。