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〈マンガ〉「ええっ、1日で藤井・羽生戦連勝!?」観る将騒然…伊藤匠叡王が藤井聡太七冠から奪取とともに注目「振り飛車の新精鋭」とは
posted2024/07/01 06:00
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida,NumberWeb
梅雨真っただ中のこの時期、ジメジメしてイヤだなあ……と思いつつ、家で思う存分楽しめる将棋対局の観戦がはかどるわけですが、その将棋界に6月、新時代が来ました。まずはこれから触れないわけにはいきません!
1)伊藤新叡王誕生、藤井七冠との新時代へ
6月20日に山梨県甲府市で行われた第9期叡王戦五番勝負の結果によって、将棋界に大きなうねりが起きました。
<叡王戦五番勝負・結果>※段位は第5局の時点
第1局、4月7日:藤井1勝(愛知県名古屋市「か茂免」)
第2局、4月20日:伊藤1勝(石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」)
第3局、5月2日:伊藤2勝(愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」)
第4局、5月31日:藤井2勝(千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」)
第5局、6月20日:伊藤3勝(山梨県甲府市「常磐ホテル」)
フルセットの末に勝利し、「21歳の新叡王・伊藤匠」が誕生しました!
叡王戦を取材しに行ったという編集担当さんが、このように話していました。
「先月分で詳しくは書けなかったんですが、5月31日の第4局、そして第5局と現地に足を運びました。やはり“藤井八冠にとって初のカド番”ということもあってか、メディアも第3局に比べてテレビ局を中心に増えた印象でしたし、大盤解説会の会場もいつも以上の緊張感に包まれていた印象が強く残っています」
ABEMA中継では現地の常磐ホテルとつないで、松尾歩八段と貞升南女流二段が登場されていました。画面越しからも大一番特有の雰囲気を感じられたのだから、現場は尚更だったんだろうな、と。
「一方で常磐ホテルの業務員の方に聞くと〈この大一番を見ようと、本当に多くのファンが熱心に来てくださった。ありがたい限りです〉と感謝しきりでした」
それぞれが語った「藤井さん、伊藤さん」の強さ
その対局は一進一退の攻防の末、1分将棋で伊藤七段がチャンスをものにして抜け出し、熱戦を制しました。翌日に順位戦A級初戦を控える中村太地八段も〈激戦…内容、舞台、派手な手、対局者。全てが揃った名局!〉と「X」に投稿するほどでしたから、将棋界が本当に注目していたのだなと。
伊藤新叡王は対局翌日の会見で藤井七冠について問われると「まだまだ自分のほうが実力が不足しているかなと感じているので、今後も藤井さんとタイトル戦で戦えるように頑張りたいと思っています」と話したそうです。
その一方で藤井七冠は、どのような言葉を残したか。