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〈マンガ〉「ええっ、1日で藤井・羽生戦連勝!?」観る将騒然…伊藤匠叡王が藤井聡太七冠から奪取とともに注目「振り飛車の新精鋭」とは
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida,NumberWeb
posted2024/07/01 06:00
6月の将棋ハイライト。イラストは関連記事からご覧になれます!
「現在序列1位の先生と指せるということで、いい内容の将棋を求めて頑張りたいと思います」
三段リーグから8年後、立場を変えての対局は、将棋ファンにとって夢の真剣勝負となること間違いなしですね。
現在藤井七冠に挑戦しているという意味では――「山ちゃん」こと山崎隆之八段が挑んでいる棋聖戦です。「ダニー」こと糸谷哲郎八段が“たまたま旅行で近くに来た”ということで第1局(千葉)、第2局(新潟)と続けて現地を訪れたそうです。たまたまかどうかはさておき……同門の弟弟子がそんな行動をとってくれたら、僕が山崎八段の立場なら絶対に嬉しくなってしまう(笑)。
3)アベトナで「羽生・藤井戦に連勝」したのは…
毎年恒例のABEMAトーナメント(アベトナ)も白熱の展開となっています。フィッシャールールの早指し戦ならではの逆転劇がとてもスリリングな中で、将棋界の2大スーパースターに立て続けに勝利したのが、「チーム天彦」の山本博志五段です。
「ええっ!? 藤井先生、羽生会長に連勝しちゃったの!? 伊藤先生に続いて山本先生、すごい……」
妻氏も僕もビックリしましたが――得意の三間飛車を駆使して、藤井七冠と羽生善治九段相手に勝利を飾りました。っていうか、1日で2人を投了に追い込んだのは、棋士全体を探しても実は山本五段だけなんじゃ? と考えると、すごい快挙です。
「昨夏、将棋会館近くの鳩森八幡神社での盆踊り大会で『東竜門(関東若手棋士のチーム)』が将棋普及イベントをしていたんですが、山本五段が精力的に活動している姿を拝見しました。Xも積極的にポストしていますし、新たな魅力あふれる棋士として注目が集まってほしいですね」
編集担当さんもこんな風に言っていました。
そんなアベトナ、渡辺九段が佐々木大地七段相手に評価値では勝勢に向かう中での大逆転負けを喫して〈今の対局、カットしてください……〉と懇願するなど、将棋には絶対がないのだなとあらためて怖さを実感しています。
そう言えば新たなキャラクターの棋士で言えば、6月に行われた棋士総会で、晴れてプロになった高橋佑二郎四段がサザンオールスターズの『真夏の果実』を熱唱していました……すごい度胸だ(笑)。デビュー間もない“的確解説”で話題になった山川泰熙四段も含めて、新顔から若手に中堅、ベテラン棋士まで多士済々。夏の盤上でもどんなトピックスが生まれるのか――。<構成/茂野聡士>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。