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「25歳までにタイトルを取れよ」藤井聡太vs伊藤匠の両師匠が登場「ミヤネ屋」が30分以上も特集を…“21歳対決の最終局”で何が起きていたか

posted2024/06/24 11:00

 
「25歳までにタイトルを取れよ」藤井聡太vs伊藤匠の両師匠が登場「ミヤネ屋」が30分以上も特集を…“21歳対決の最終局”で何が起きていたか<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

新叡王・伊藤匠と七冠・藤井聡太。2002年生まれ同士の2人が、将棋界をさらに加速させるはず

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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Keiji Ishikawa

 藤井聡太叡王(21=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖を合わせて八冠)に伊藤匠七段(21)が挑戦した第9期叡王戦五番勝負(主催・不二家、特別協賛・ひふみ)。2勝2敗で迎えた最終の第5局は6月20日に山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われ、伊藤が激闘を制して初タイトルの叡王を獲得した。

 藤井はタイトル戦で22連覇していたが、初めて敗退して八冠から陥落した。伊藤の不抜な精神力、藤井の率直な心境、両者の師匠の弟子に対する思い、振り駒による先手番・後手番の相違や対局場にまつわるエピソードなど、第5局をめぐる様々な事象を田丸昇九段が2回にわたって解説する。【棋士の肩書は当時】

藤井のタイトル戦最終局は3年前の叡王戦以来

 藤井八冠がタイトル戦で最終局に臨むのは、2021年の第6期叡王戦(豊島将之叡王ー藤井二冠)に次いで2回目だった。藤井は2勝1敗から敗れて第5局に持ち込まれたものの、見事な内容で勝って19歳1カ月で最年少三冠を達成した。ただ最終盤で問題の一手を指し、AI(人工知能)の形勢評価は「藤井の勝勢」から「わずかに有利」に変わった。

 豊島に△5六歩の有力手があったからだが、実戦では別の手を指したので事なきを得た。後日にそれを問われた藤井は、「△5六歩は見えていませんでしたが、▲4六歩で残していると思います」と感想を語っている。

 今年の第9期叡王戦では、藤井叡王は伊藤七段に1勝2敗と負け越して初めてカド番に追い込まれたが、「どんな状況でもやることに変わりはありません」と冷静に語った。第4局は積極的な指し方で伊藤に勝った。

常磐ホテルが主催者から信頼されるワケ

 叡王戦第5局の対局場となった「常磐ホテル」は、甲府市の湯村温泉にある創業95年の老舗旅館。昭和天皇らの皇族が宿泊したことから、「甲府の迎賓館」と呼ばれている。将棋を愛好した井伏鱒二、松本清張、山口瞳らの文豪の定宿でもあった。

 山口はエッセイで、《温めの風呂。ゆったりした離れの部屋。食事の品数は過不足がなく、締めの炊き込みご飯も美味しい。庭園には花梨の大木があり、実から芳香を放っている。そこで僕は、この庭を「花梨の庭」と名付けた》と絶賛していた。

 常磐ホテルはよくタイトル戦の対局場になっているが、後半(七番勝負では第6局・第7局。五番勝負では第5局)の設定が多い。

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