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将棋PRESSBACK NUMBER
「25歳までにタイトルを取れよ」藤井聡太vs伊藤匠の両師匠が登場「ミヤネ屋」が30分以上も特集を…“21歳対決の最終局”で何が起きていたか
text by
田丸昇Noboru Tamaru
photograph byKeiji Ishikawa
posted2024/06/24 11:00
新叡王・伊藤匠と七冠・藤井聡太。2002年生まれ同士の2人が、将棋界をさらに加速させるはず
そのために勝負が早く決着して対局自体が行われないことがある。直近の対局は2021年8月の叡王戦第2局(豊島が藤井に勝利)。21年12月から23年12月までの竜王戦、名人戦、王座戦(計7局)の対局は行われなかった。ホテルの経営者はそれを承知していて、主催者から信頼されている証しだという。
振り駒の運もまた実力と言えるが
タイトル戦の第1局と最終局では、改めて「振り駒」をして先手番・後手番を決める。
先手番になると作戦面で主導権を得られ、AIを使った研究の成果も出しやすい。実際に過去の公式戦の年間勝率を調べると、大半の年で先手番の方が5割を少し超えている。
藤井八冠と伊藤七段の公式戦の勝率を手番で比較してみる。
藤井は先手番が8割9分台、後手番が7割7分台で、前者が突出している。伊藤は先手番が7割2分台、後手番が7割4分台で、後者の方が少し高い。藤井は合計25回のタイトル戦での振り駒において、先手番は18局、後手番は7局。運も実力といえる。
なお振り駒では、駒の表の方が多く出やすい(先手番になる)との説がある。字画が裏より多いからだ。ある凝り性の棋士は――結果は不明だが――1000回も振って検証したという。
それぞれの師匠がテレビで語った弟子への思い
話を第5局に戻す。6月20日に行われた叡王戦第5局の振り駒では、表の「歩」が3枚、裏の「と」が2枚で、藤井の先手番に決まった。
戦型は予想通り「角換わり」で、藤井は腰掛け銀、伊藤は右玉に構えた。その後、藤井は玉を穴熊に囲い、伊藤は雁木の陣形に組んだ。
ミヤネ屋はCM抜きで30分以上放送…両師匠も登場
藤井のタイトル戦23連覇と伊藤の初タイトルがかかった対局は大きく注目され、対局場に多くの報道陣が集まり、テレビ各局の情報番組も叡王戦を取り上げた。
中でも熱の入りぶりがすごかったのは、日本テレビ系列の『情報ライブ ミヤネ屋』である。