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「マユは相当、気合い入ってた」石川真佑から伝わった“怒り”の感情…不完全燃焼カナダ戦の鬱憤晴らした豪快スパイク〈女子バレー五輪決定秘話〉
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byVolleyball World
posted2024/06/16 17:00
セルビア戦でチーム最多得点を上げた石川真佑(24歳)
カナダ戦では個人に目を向ければ攻撃に課題を残したが、チームとして見ればサーブでの失点も目立った。その解消に努めるべく、石川らと一緒にポジションの確認をしたと話すのはリベロの小島満菜美だ。
「サーブレシーブでそれぞれどこまで行くかという連携の話をしました。真佑も積極的に意見を言うし、(岩崎)こよみさんとはコンビネーションの話もしていた。セルビア戦に向けては、相当、気合入っていたと思います」
小島の言葉通り、石川は第1セットの1点目から力強いスパイクを決めた。ラリーを締めるインナーに叩きつけるスパイクやノータッチのサービスエース。終わってみれば、スパイクで15点、サーブで2点、計17得点は両チーム最多の数字だった。
「個人としては悔しさもあった分、今日出し切ろうと思って準備をしたので、それが結果に出せたのはよかったです。でも、上位のチームに対してまだまだ自分が点を獲らないといけない場面があるので、もっともっと、自分自身を上げて行きたいです」
福岡ラウンド最終日のアメリカ戦、そして、その先にあるパリ五輪で強くなった自分を見せる。欲しいトスを呼び、すべて力の限り叩きつける準備も覚悟も揃っている。