バレーボールPRESSBACK NUMBER
女子バレー宮下遥29歳が現役引退…“天才少女”が歩んだ15年のバレー人生「私がつぶしちゃった…」今も悔やむ8年前の出来事とは?
posted2024/04/30 17:06
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
AFLO SPORT
4月26日、Vリーグ・岡山シーガルズの宮下遥が今シーズン限りの勇退、そして現役引退を発表した。
セッターとして“大型”と言われる178センチの長身と強気なトスワーク、抜群のレシーブ力、そしてブレイクを重ねるサーブを武器に日本代表として活躍した。リオ五輪に出場した経験豊富な29歳――プレーヤーとしては少し早い決断のようにも感じるが、多くの期待を背負い続けて15年もの月日が経っている。引退の発表を受け、素直に「よくやったね」という思いが込み上げた。
中学生でVリーグデビュー
大阪国際大和田中学でアタッカーからセッターに転向。すぐに才能を開花させると、2009年5月の「黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会」に岡山シーガルズの一員として抜擢された。当時は史上最年少となる14歳8カ月でデビューし、同年11月には15歳2カ月でVリーグの最年少出場記録を更新した。
初めて宮下を取材したのも、ちょうどこの頃だった。
中学生に向けてトップ選手が技術を語る企画の、第1回として取り上げることになったのが当時、同じ中学生の宮下だった。すでに多くのメディアから視線が注がれる中、宮下は「何を聞かれるのか」と明らかに警戒した表情で現れた。丁寧に話そうとしながらも、いい意味で遠慮がなく、どこかぶっきらぼう。トスの技術や気を付けているポイントをたずねても「まだわからない」とストレートな答えを返した。