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「自分なんて全然ちっぽけ」井上尚弥がNY熱烈歓迎でも“謙虚なチャンピオン”を崩さなかった理由「授賞式翌日はドジャース大谷観戦で…」
posted2024/06/14 17:00
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
JIJI PRESS
パーティ会場に井上尚弥が足を踏み入れた瞬間、その場が華やかになったように感じたのは筆者だけではなかったのではないか。
6月6日、マンハッタンで行われた全米ボクシング記者協会(BWAA)の表彰式&夕食会。19時15分開始の授賞式に先駆け、まずは出席者たちが挨拶し、近況を報告し合うカクテルパーティーが催された。その最中の18時40分頃、2023年の年間最優秀選手賞「シュガー・レイ・ロビンソン賞」を受賞した井上が入ってくると場内は蜂の巣を突いたような騒ぎになった。
スバ抜けたモンスターへの注目度
セレモニーには多くのチャンピオンたちが参加している。テオフィモ・ロペス 、ホルヘ・リナレス、ティモシー・ブラッドリー、アイラン・バークレー、ジュニア・ジョーンズ、アマンダ・セラーノ、吉田実代……etc.。その中でも井上の注目度はスバ抜けており、写真撮影の希望者が後を絶たなかった。井上が近くにいると、誰もが会話の手を止めそちらの方に目をやる姿が印象的だった。
2020年の「シュガー・レイ・ロビンソン賞」受賞者でもあるロペスも後に盛んに井上と一緒の撮影を望み、「隣にいられるだけで素晴らしいこと」と表情を崩したほど。この日の断然の主役が“モンスター”であることは誰の目にも明白だった。