巨人軍と落合博満の3年間BACK NUMBER

「落合博満は巨人軍に捨てられたのか」落合が否定した「巨人退団会見で涙」報道…清原FA騒動、なぜ43歳落合博満は現役引退を選ばなかった?

posted2024/06/09 11:03

 
「落合博満は巨人軍に捨てられたのか」落合が否定した「巨人退団会見で涙」報道…清原FA騒動、なぜ43歳落合博満は現役引退を選ばなかった?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

1996年11月28日、巨人・落合博満(当時42歳)の退団会見。長嶋茂雄監督と落合が並ぶ姿は、3年前の入団会見を思い出させる

text by

中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

PROFILE

photograph by

Sankei Shimbun

40歳での鮮烈なFA宣言、巨人へ電撃移籍した落合博満……1993年12月のことだった。
あれから30年。巨人にとって落合博満がいた3年間とは何だったのか? 連載最終回・第21回(前編・中編・後編)、ついに42歳落合博満が巨人をやめる日がくる。落合は最後に言う「オレは、巨人に勝ったのさ」。こうして濃密な3年間が終わった。【連載最終回の後編/前編中編も公開中】

◆◆◆

落合とナベツネの和解

 長嶋茂雄監督との極秘会談から一夜明けた11月28日の夕方。落合博満は信子夫人を伴い、東京・大手町の読売新聞本社を訪れ、渡邉恒雄社長と会談へ。「本人を立てて、私が悪妻と言われてフォローしている。これが“私流”なのよ」(週刊宝石1996年12月26日号)とオレ流の無名時代から二人三脚でともに戦ってきた夫人は、渡邉に直接、一連の騒動の真相を確認して謝罪を受けた。

 落合も「君はまだ43歳。ふつうの会社で言えば、まだ部長にもなれない年齢なので、新しいところへ行って野球人生を全うしてください」と70歳の社長から激励され握手を交わし、特別功労金として過去最高額の2000万円が贈呈されることも決まった。そして、帰り際に信子夫人は渡邉から花束を受け取り、手打ちとなる。直後にフロント陣も落合に「本当にすまなかった」と頭を下げたという。

異例の退団会見「清原君に負ける気はしない」

 同日の夜8時、ホテルニューオータニの「鶴の間」には、深谷球団代表だけでなく、清原の入団会見と差をつけないよう同じスーツとネクタイを身につけた長嶋監督の姿もあった。金屏風の前で、自由契約の選手と並び、監督と代表が同席する異例の退団会見である。

【次ページ】 異例の退団会見「清原君に負ける気はしない」

1 2 3 NEXT
読売ジャイアンツ
落合博満
長嶋茂雄
松井秀喜
清原和博
西武ライオンズ
渡邉恒雄
東尾修
阪神タイガース
吉田義男
落合信子
野村克也
ヤクルトスワローズ
日本ハムファイターズ

プロ野球の前後の記事

ページトップ