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まさかの電撃休養「松井ライオンズ」とは何だったのか? “シーズン100敗ペース”低迷を招いた「新外国人問題」「現場とフロントのズレ」
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byNanae Suzuki
posted2024/06/05 11:01
スター選手が満を持して指揮官となったが、青年監督として思わぬ辛酸を嘗める経験となった
「外国人選手の渉外担当に話を聞いても、『アギー(アギラーの愛称)のスタイルはガンガン積極的にバットを振るタイプではない。球を見て、見ていく』と。それはこちらもリスペクトしてあげないといけないところもあると思います。『何でもかんでも振りにいけ』っていうと悩んでしまうと思うので。ただ、今のやられ方が大体1、2打席目はポンと真っすぐ(でストライクを取られて)なので……」
この日の試合前に平石ヘッドはアギラーと話し、「今のままでは、相手の攻め方が変わらんよ」と伝えたという。
「今、アギーがやろうとしている(スイングを仕掛ける)タイミングと、相手の(ストライクを取りにくる)配球のタイミングが全然かみ合ってない。こっち側から仕掛けていかないと、全部が全部ではないですけど、向こうの配球は変わらないので。アギーの今までのスタイルはもちろん理解しないといけないけど、だいぶ後手に回っていますよね。ほんまに苦しいと思います」
外国人選手への見切りの早さ
西武はアギラーの打撃スタイルを知った上で獲得したが、日本の投手にうまく攻められて実力を発揮できなかった。
加えてアギラーの子どもはまだ小さいため、単身赴任で来日(夏頃に家族は来日予定だという)。日本の環境は母国ベネズエラや長く暮らしたアメリカとさまざまに異なるため、一人だけで異国で暮らす苦労もあるはずだ。
そして右足首痛が重なり5月8日、登録抹消に至った。
一方、コルデロは不振で4月15日に二軍へ。打席ではボールになる変化球を振らされ、守備でもチームの足を引っ張った。
外国人選手の出場機会をいかに確保するか
だが、シーズン序盤に登録抹消という判断は正しかったのだろうか。そう思うのは以前、あるエージェントがこんな話をしていたからだ。