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サッカー消えた天才の明暗「アルコール依存と闘う」問題児MF、“練習サボりがちパサー”と“母思いの走らない司令塔”は今、意外な職に
posted2024/06/01 11:06
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Tamon Matsuzono(L),Getty Images
<名言1>
自分は、キャリアの中で、実際に何度も道を誤ってきたからね(笑)。
(ポール・ガスコイン/NumberWeb 2007年3月14日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/12852
◇解説◇
世界最高峰のレベルを保つイングランド・プレミアリーグ。ハーランドにファンダイク、遠藤航や三笘薫に冨安健洋、ソン・フンミンなど世界各国のトッププレーヤーが集う。
一方で近年はホームグロウン制度もあって、自国の有望株も多い。ハリー・ケインやデクラン・ライス、さらにはレアル・マドリーで輝くジュード・ベリンガムなどを擁するイングランド代表は、6月に開幕するEURO2024制覇の期待もかかる。
問題児パサーは今、アルコール依存からの回復に…
そんなイングランドでプレーメーカータイプが出てくると、たびたび名前が挙がるのはポール・ガスコインだった。
80年代半ばにニューカッスルでデビューを飾ったガスコインはキック&ラッシュの時代だったイングランドにおいてきめ細やかなボールタッチとパスで勝負する稀有なタイプで、「イングランド史上、最も才能に恵まれたフットボーラー」と呼ばれるほどだった。実際その才能を生かして1990年W杯では中盤を取り仕切り、母国のベスト4に大きく貢献。準決勝ドイツ戦でイエローカードを受けて涙を流す姿に人気は爆発した。
ただし、ピッチを離れると問題行動の連続で、若き日から節制せず“ポッチャリ”しがちで監督から食事制限を命じられたり、98年フランスW杯でのメンバー落ち以降はアルコール依存症と鬱病を発症するなど、プレーではなくナイーブな内面に注目が集まるようになってしまった。
引退後、ガスコインは冒頭の言葉通り「何度も道を誤ってきた」とキャリアを振り返ったものの、度重なる飲酒運転や薬物所持などでの逮捕など、その後の人生でも苦しんでいる。
2024年に入って「High Performance Originals」というポッドキャストに出演した際にはアルコールと離れた生活を送っていると語った。自己破滅的だった生き方から回復しようと励むとともに、イングランド代表の試合を観戦する姿も写真に収められている。
怪物ロナウドが大絶賛した天才肌パサーとは
<名言2>
一番プレーしやすい選手。
(ロナウド/Number735号 2009年8月20日発売)
◇解説◇
ブラジル代表FWロナウドは1990年代から2000年代にかけて、恐るべきスピードと決定力で、ゴールを量産した。「フェノーメノ(怪物)」の愛称を授けられたロナウドはインテル、レアル・マドリー、ミランなどで数々の名パサーのボールを受けてきたが、とりわけ抜群の相性を誇ったパサーは、バルセロナ時代にいた。
イバン・デラペーニャである。