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女子体操「全員が10代」異例のメンバー構成に“懸念点”は? 最年少は16歳…パリ五輪に向け、強化本部長が語った“不安と伸びしろ”
posted2024/05/21 11:25
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
5月18日、パリ五輪代表最終選考会を兼ねた体操のNHK杯女子決勝が行われ、パリ五輪代表5名が決定した。
順位によって自動的に決定するNHK杯上位4名は、優勝して3連覇を達成した宮田笙子、2位の岸里奈、3位の岡村真、4位の中村遥香。
この4名の得点と組み合わせてチーム得点が最も高くなる選手、つまり団体総合での得点への貢献が期待できるチーム貢献度から選出される残り1名は、跳馬で高得点をたたき出した牛奥小羽となった。
「メンバー全員が十代」は史上初
4月の全日本選手権の得点も持ち越されての大会、全日本選手権を1位で終えていたのは宮田。近年、日本女子を牽引してきた存在だが、それに違わない演技をみせた。NHK杯の数日前に左内転筋を負傷し万全とは言えない中、最初の種目の跳馬で14.300点の高得点を出すと、続く段違い平行棒は13.733点でトップをキープ。平均台、最後のゆかもまとめ、初めての五輪切符を手にした。
岸の演技も輝きをみせた。跳馬では宮田と同得点、段違い平行棒でも高得点で宮田と拮抗した勝負を演じる。平均台こそ序盤にミスが出たがゆかでは杉原愛子と並ぶトップの13.366点。宮田と同じく初めての五輪切符を手にした。
宮田と岸に限らない。岡村、中村、牛奥も五輪出場は初めて。しかも宮田は19歳、岸は16歳、岡村が18歳、中村は16歳、牛奥が19歳と全員が十代、平均年齢は17.6歳。これまでを振り返ればある意味異例のメンバー構成となる。団体総合に出場した大会で全員が五輪初出場となるのは1984年ロサンゼルス五輪以来のこと。団体戦のメンバー全員が十代であるのは史上初であるからだ。
東京五輪からは村上茉愛、平岩優奈、畠田瞳が引退し…
参考までに、ここ3大会の日本代表は次のようになっている。