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女子体操「全員が10代」異例のメンバー構成に“懸念点”は? 最年少は16歳…パリ五輪に向け、強化本部長が語った“不安と伸びしろ”
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2024/05/21 11:25
NHK杯で3連覇を達成した宮田笙子(19歳)。日本のエースとしてパリ五輪に向かう
「特別な場ですから、経験者がいない不安もありますが、若いだけに当たれば大きいですし、伸びしろに期待しています」
五輪未経験、十代とはいえ、実力はたしかだ。2022年の世界選手権団体は7位、2023年は8位だったが、全日本選手権、NHK杯での得点からするとさらに上位に進出できるところに来ている。アメリカは別として、そのあとの争いに絡んでいける可能性を示している。それもまた、この年代ならではの伸びを示している。そしてここから夏までは、さらに成長していくための時間でもある。
エース宮田が語った“自覚”
NHK杯3連覇を果たした宮田はまぎれもなくエース格の存在だが、本人の自覚も強い。
「演技で信頼を得ていくことができたらと思います」
「ミスのない演技で団体のメダルにつなげたいです」
昨年のNHK杯も怪我を抱えている中で「痛みに勝たないと。自分に勝たないと」と強い気持ちを持って優勝。そのときにはすでに「エースという言葉はこれからも自分にかかってくると思いますけど、エースらしい演技で引っ張っていけたら」と語っている。
昨年より1年を経て、より自覚を深めた姿が今大会にはあった。
パリで団体のメダルを獲得すれば60年ぶりとなる。心配な点はあるとしても、楽しみなメンバーがそろった。あとは伸びしろをどう生かすかに目標達成はかかっている。