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核心にシュートを!BACK NUMBER
渡邊雄太の復帰は「リーグの均衡を崩す可能性も」…Bリーグ王者・琉球のエースが語る“日本の大黒柱”の存在感「外国籍選手を圧倒するレベル」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by(L)Hideki Sugiyama、(R)FIBA
posted2024/05/11 17:02
昨季のBリーグ王者・琉球GKのエースである今村佳太(左)。代表でも活躍した渡邊雄太の復帰はBリーグにも大きな影響があるという
さらに、あのW杯の会場となった沖縄アリーナは、観客がエンターテイメントを満喫することを考えて作られた最高・最新鋭の会場との呼び声が高い。これまでスポーツが開催される屋内施設は、観客よりも競技者の利便性に目が向く者が多かったからだ。
日本では今、全国各地でアリーナ建設が進んでいるが、その目標となるのが沖縄アリーナだ。ホームアリーナにしているBリーグの琉球ゴールデンキングスはもちろん、格闘技や音楽のライブも開催され好評を博している。
琉球のエースとして君臨するのが今村佳太だ。彼は日本代表のメンバーには選ばれなかったが、W杯では日本戦はもちろん、海外の国同士の試合もアリーナで観戦した。
だからこそ、感じたことがある。
「沖縄アリーナに来ているお客さんは、『見に来ている』というよりも『チームと一緒に戦ってくれている』感じが強いんです。バスケを見る目が肥えているのかなと」
沖縄のファンは「泥臭いプレーで喜んでくれる」
かつて琉球を指揮していた藤田弘輝HCがこんな話をしていたことがある。
「ダンクなどの派手なプレーだけではなく、ディフェンスでハッスルするシーンで歓声がどんどん大きくなっていく。沖縄のファンがバスケをよく知っているからですよね」
その意見に同調する今村は、こう証言する。
「沖縄の人たちは、泥臭いプレーで喜んでくれるんですよ。その反応の何がすごいかというと、バスケとはそういうプレーによって流れが変わるスポーツだからです。ルーズボールに飛込んだり、地道にディフェンスをしたり……。そういう泥臭いプレーは気持ちがこもっているからこそ、出せるプレーなので」
確かに、先のバスケW杯でも攻撃の場面でわき上がったシーンはいくつもあった。大黒柱である渡邊雄太の豪快なダンクや、チームを牽引した司令塔・河村勇輝がファールを受けながら決めたバスケットカウント、富永啓生の正確無比な3Pシュート……。
ただ、今村が「これは沖縄アリーナならではのものだ!」と心を震わせたのは、別の場面だった。バスケ関係者などから躍進の陰の立役者として絶賛されていた吉井裕鷹選手のプレーへの歓声を聞いたときだ。