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Bリーグ王者のエースでも「地元開催W杯は選出されず」…バスケ代表“最後のキーマン候補”今村佳太が振り返る「悔恨の沖縄」と「五輪への想い」
posted2024/05/11 17:03
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Hideki Sugiyama
「日本一の選手になれ」
昨シーズンの開幕前、チームを指揮する桶谷大HCからそう言われたのが今村佳太だ。昨年のバスケットボールW杯の会場となったアリーナをホームアリーナにする、琉球ゴールデンキングスのエースである。
そんな今村は、日本代表がW杯で新たな歴史を築いていく様を見て、日本人として気持ちを高ぶらせる一方で、複雑な感情も抱いていた。
Bリーグ優勝でも…代表には選出されず
何しろ彼は開幕前の「日本一の選手になれ」というメッセージにしっかり応えたばかりだったのだ。W杯のおよそ3カ月前に幕を下ろしたBリーグの2022-23シーズンで、琉球を初優勝に導いていた。
リーグの頂点を極めたはずだった。それでもW杯を戦う日本代表のメンバーに入れなかった。
「自分が『戦いたい』と思っていた世界の選手たちに挑んでいる日本の選手たちを見ていたら、やはり、悔しかったですよ……。その前のシーズンの結果もそうですけど、僕は琉球ゴールデンキングスの一員として、沖縄を背負ってプレーしてきました。だから、(琉球のホームアリーナである)沖縄アリーナで行なわれるW杯の舞台に立つことにはすごく大きな意味があると思っていたので。
結果的にうちのチームからW杯メンバーに入った選手はいなくて。チームとしても、個人としても、すごく悔しい思いがある中で試合を見ていました」
もちろん、あの悔しさは忘れない。ただ、その苦い経験を糧にするチャンスは自らつかみとった。
今年2月、あのW杯以来初めてとなる日本代表の合宿が行なわれたのだが、そこで代表に復帰した。パリオリンピックへ向けた再始動の意味を持つタイミングで、およそ2年ぶりとなる待望の代表の舞台だった。