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渡邊雄太の復帰は「リーグの均衡を崩す可能性も」…Bリーグ王者・琉球のエースが語る“日本の大黒柱”の存在感「外国籍選手を圧倒するレベル」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by(L)Hideki Sugiyama、(R)FIBA
posted2024/05/11 17:02
昨季のBリーグ王者・琉球GKのエースである今村佳太(左)。代表でも活躍した渡邊雄太の復帰はBリーグにも大きな影響があるという
NBAで6年にわたりプレーしてきた日本代表の大黒柱・渡邊が「来シーズンは日本でプレーする」と宣言したのだ。
先のW杯の際には「まだまだ日本代表でプレーしたい」という思いがありながらも、「このW杯でオリンピック出場権をとれなければ代表を引退する」と宣言した。そして、コートを走り回り、仲間を鼓舞して、チームをパリへと導いた。NBAでもまれてきた実力はもちろんのこと、その人間性やハートの強さでも他の選手たちに影響力をもたらす選手だ。
「渡邊雄太さんがBリーグでプレーするのは、すごく楽しみです!」
渡邊雄太の日本復帰で「リーグの戦力均衡が崩れる」
バスケ選手として素直に喜びを口にする一方で、今村はバスケ界への影響を感じる。
「これでリーグのレベルはまた上がると思います。これまでは『強豪と呼ばれるのはこのチームで……』という勢力図みたいなものがありましたけど、渡邊選手が入ればリーグ内の戦力の均衡が崩れますよ。それくらいに影響力を持っている選手だと思います。
Bリーグでは日本人だけではなくて、外国籍選手のレベルも年々上がってきているわけですけど、そういう海外から来た選手たちを圧倒するくらいのレベルにあるのが渡邊選手ですから。そして、そういう存在に少しでも近づきたいと周りの選手は思うでしょうから、日本バスケ界のレベルの底上げにつながるキッカケになると思います」
先のW杯では、Bリーグや沖縄のファンの存在が、日本代表を助けた。そこでの日本代表の躍進が、今シーズンのBリーグ人気に火をつけた。今はそんな幸せな循環がある。
そして、今度はそこに渡邊が帰ってくる。NBAのチームに所属する選手は、代表活動をする上で日程の制限があるのだが、渡邊には今後それがなくなる。パリオリンピックを目指す日本代表の強化にもプラスになるはずだ。
ただ――。
あの沖縄でのW杯の期間中、一人の日本人として喜びを感じながら、今村は別の感情も抱えていた。
<次回へつづく>