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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「小久保玲央ブライアン…PKストップ後の涙が物語るね」ブラジル人記者が絶賛も攻撃は? アジア王者U-23日本を“五輪メダル目標”視点で評価
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byNurPhoto/Getty Images
posted2024/05/06 11:02
U-23アジアカップ決勝で殊勲の働きを見せた小久保玲央ブライアン。五輪世代に加えて日本代表正GK争いも楽しみな逸材だ
「予想通り、ウズベキスタンの選手のモチベ―ションは非常に高かった。しかし、日本選手も『何が何でも優勝する』という意気込みでプレーしていた。だからこそ、前半、ウズベキスタンの危険な攻撃を受けながらも高い集中力を保ち、冷静に対処できたのだと思う」
――後半に入り、ようやく日本はボールを保持する時間が増え、より主体的、能動的にプレーできるようになりました。
「ウズベキスタンの攻撃に慣れた面があったと思う。これに対し、前半は強烈なプレスで中盤を支配していたウズベキスタン選手に多少の疲れが感じられた」
日本らしい決勝点。PKのVARは受け入れざるをえない
――後半アディショナルタイムの日本の決勝点を振り返ってください。
「CBの高井幸大(川崎フロンターレ)が中盤で相手ボールを奪い取り、ドリブルで攻め上がり、相手選手がタックルに入ろうとする直前に意表を突くヒールパスを藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン)へ。藤田からのダイレクトの縦パスを荒木がこれまたヒールで右へ流し、山田が得意の左足でしっかり決めた。日本らしいテクニック、ひらめき、適度な距離感と連係が結実した見事なゴールだった」
――後半アディショナルタイムに自陣ゴール前の競り合いで、関根大輝(柏レイソル)がPKを取られました。主審の判定は適切だったと思いますか?
「右からのハイクロスをウズベキスタンのアタッカーが頭で折り返し、それが関根の左手に当たった。決して、意図的なハンドではなかった。ボールが手に当たった瞬間、関根はボールを見てすらいなかった。ジャンプしたときの自然な体の動きで手が少し広がったのだが、手を胴体から引っこ抜くことができない以上、あれは仕方がない。
VARの導入以前なら、絶対にPKになっていなかった。しかし、主審がVARで注意を喚起され、リプレーをスローモーションで繰り返し見たら、手に当たったことを見逃すわけにはいかない。日本にとって厳しい判定だったが、現在のフットボールでは受け入れざるをえない」
小久保は試合を通じてほぼ完璧。PKストップ後の涙も…
――この試合で最も良かった日本選手は?