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「藤田譲瑠チマは別格。松木玖生にも驚いた」トルシエがU-23日本代表ベタボメも…五輪決定で“隠れた弱点”を懸念「5-0で勝つべきだ」 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byKenichi Arai

posted2024/05/02 17:04

「藤田譲瑠チマは別格。松木玖生にも驚いた」トルシエがU-23日本代表ベタボメも…五輪決定で“隠れた弱点”を懸念「5-0で勝つべきだ」<Number Web> photograph by Kenichi Arai

パリ世代の中核の1人である松木玖生。ゴールこそ初戦の中国戦のみだが、そのプレースタイルとパーソナリティは今大会で存分に発揮されている

「さらに加点して、日本は試合を決めきることもできた。だが、そうはならなかったからこそ、失点を喫したときの日本を見てみたかった。メンタル面で選手たちがどんな反応を示すのか……。今日の内容ではそれはよくわからない。見ることができたのはボールとプレーを支配する日本だった。スペースも支配し、プレーは自信に満ちていた。

 そして後半は、プレーの多彩さで相手を欺きさえした。『自分たちには余裕がある。不安はまったく感じていない』と。だからこそ疑問が浮かぶ。日本のプレーが、日本の弱点を隠してしまったのではないかと」

――もう少し具体的に説明してください。

「後半はイラクに多くの得点チャンスがあった。日本はそれでも超攻撃的で、ゲームを支配している限り、心配する要素はないというスタンスだった。しかしそこには、私たちが見ることのできなかった隠された側面がある。見えたのは日本がゲームを支配したことであり、イラクよりも強いということだった。決勝進出に値したし、力強さも示した。だが、それによって隠れたものが何であったのか。恐らくウズベキスタン戦が、この問いの答えを出してくれるだろう」

日本が5-0で勝つべき試合だったが

――たしかに後半も、日本はイラクの攻撃にうまく対処していました。

「日本には確固としたセキュリティがあった。そこまで自信を持てたのはどうしてかよくわからないが、失点していても決しておかしくはなかった。

 しかしプレーのバラエティーも左右にバランスが取れて豊富だったし、組織も強固でプレスも強力だった。日本はイラクよりもずっと優れていた。プレーを楽しんでいた感すらある。

 ただ、膨大なエネルギーを費やした割には、それに見合う結果を得られなかった。日本が5-0で勝つべき試合で、そうなっていれば私も納得できた。しかしそうはならずに、ある部分が隠されてしまったというのが私の印象だ」

スピード豊かなのは長所だが、それは戦略でもある

――本当に緊迫した状況で、どんな対応ができるかということですね。

「繰り返すがウズベキスタン戦でその答えが得られるだろう。彼らの試合を見たが、日本と同じようなクオリティのプレーで、コレクティブでスピードも個の力もある。守備もよく組織されている。プレーを構築するチーム同士の素晴らしい決勝になるのは間違いない。そのとき日本はどうするのか。ゴール前でより効率的にプレーができるかどうか。失点した際にどう反撃するか……。試合はとてもオープンで、後半に反撃したイラクが1点返していたら、結果はひっくり返っていたかも知れない」

――3月のマリ戦ではマリ相手に何もできなかったことを考えれば、大きな進歩を示したと言えるかも知れません。

【次ページ】 藤田は類稀だ。松木の運動量と質にも驚いた

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