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「“前髪直す人”みたいに言われていますけど…」自己流メイクのこだわりも…山本有真(24歳)が明かす“美意識の理由”「堂々と走れるんです」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO/Takuya Sugiyama
posted2024/05/01 11:06
競技成績だけでなく、中継の度にその美意識でも話題を集める山本有真(24歳)
「名城大や積水で駅伝を走っていると、その姿が全国中継されるんです。ドアップで映されるのに、メイクなしなんて無理ですよ(苦笑)。私は、おしゃれをして、自分が一番自信を持てる姿でスタートラインに立ちたいんです。そうするとモチベーションが上がるし、堂々と走れるんです」
今や陸上界の「おしゃれ番長」になった山本だが、それでも「メイクしている暇があるなら練習しろ」「メイクに使う金があるなら陸上に使え」とSNSなどで苦言を呈されることもあるという。
「いろいろ言われても私は、あまり気にしないですね。だって、気にしてもメイクは落とせないですから。長距離選手がおしゃれをしちゃいけないわけじゃないので」
「“前髪直す人”みたいに言われていますけど…」
メイクされた表情がテレビに映り、「かわいい」と評判になるにつれ、心ない声は徐々に少なくなっていった。最近は、選手を始めいろんな人に「どんなメイクしてるの?」と聞かれたり、「メイク、素敵ですね」と言われることが増えた。山本は「めちゃうれしいです」と表情を崩す。
メイク術はYouTubeを見て、参考にし、自分なりにアレンジしている。メイクの時間は15分、髪の毛のセットを合わせて30分程度。試合の際は、ホテルでセットしていくが、ストレッチ、アップに再度、メイク直しの時間を考慮して競技場に移動する。
「メイクしていると自然と戦闘モードに入って、気持ちが盛り上がってくるんです。レースの直前もメイクチェックが欠かせないですね。トイレに行って、鏡で確認し、リップを塗ってスタートするようにしています。表彰式では、前髪を揃える櫛が欠かせないです。前髪、崩れていたらいやじゃないですか。なんか、私だけ櫛で前髪直す人みたいに言われていますけど、これはみんなやっていますからね(笑)。今は、練習の時もメイクしています。寮にいる以外、すっぴんで外には出ないです」
最近はヘアカラーにこだわっており、インナーカラーを入れて髪の毛全体を軽く、立体的に見せていると語る。