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「“前髪直す人”みたいに言われていますけど…」自己流メイクのこだわりも…山本有真(24歳)が明かす“美意識の理由”「堂々と走れるんです」
posted2024/05/01 11:06
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO/Takuya Sugiyama
名城大学で全日本大学女子駅伝6連覇、大学女子選抜駅伝5連覇に貢献した山本有真は、2023年4月、積水化学工業陸上部に入社した。
大学で駅伝8回出走中、4回区間賞、2回区間タイ、1回区間新、さらに1500mや5000mで結果を残すなど、駅伝力に優れ、学生屈指の走力を持つ山本は、実業団からすれば喉から手が出るほど欲しい選手だが、本人のなかには葛藤もあったようだ。
山本が走る“モチベーション”
「大学3年の頃は、陸上を続けようと思っていなかったんです。特に結果を残しているわけではなかったですし、実業団でつづけていける自信がなかったからです。でも、4年生になって成長して、注目されて、そこで初めて実業団に行きたいと思って監督に相談しました」
山本が選んだのは積水化学工業だった。
「監督の野口(英盛)さんとお話をさせていただいた時、監督自身も怪我で一時チームを離れた期間があったらしくて、『一度離れたことはプラスに捉えている。俺は、そういう経験をした方が強くなれると思うし、めちゃくちゃいい経験をした選手だと思っている』と言ってくださったんです。監督がすごく理解のある人でしたし、チームの自由な雰囲気もすごく良かったです」
積水化学は、山本の個性に理解を示してくれたわけだが、同時に山本も活動ベースが関東にあり、寮に門限がなく、ヘアカラーやメイク、ネイルなどが自由で、おしゃれに制限はないチームに好印象を抱いた。
「自由な環境がありがたかったです。特におしゃれができるのがすごく重要で、今、私が陸上を続けるうえで大きなモチベーションになっています」
「ドアップで映されるのに、メイクなしなんて無理です(笑)」
山本は、笑顔でそう語るが、この「おしゃれ」が、山本という選手を紐解く際、ひとつのキーワードになる。