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松井秀喜を育てた“名将の父”に本音…星稜監督・山下智将が語る「家族より自分…あまり好きじゃなかった」「僕、長男なんで」《センバツ》
posted2024/03/23 11:06
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
JIJI PRESS
附属中学の野球部がある“強み”
――山下智茂さんという名物監督が勇退し、その後、何度か監督が交代しながらも、これだけ安定的に勝ち続け、今また黄金時代を迎えつつあるような印象を受けます。星稜の監督交代がこれだけスムーズにいっている理由って何なのでしょう。
山下 変わってないことといえば1つですね。野球だけじゃないぞ、っていうところ。うちの建学の精神が「誠実にして社会に役立つ人間の育成」なので。学校生活や勉強もしっかりやらなければならない。そこの柱は誰が監督でも同じだと思います。
――あとは付属の星稜中の軟式野球部が常に全国レベルを維持しているというのも大きいですよね。
山下 かなり大きいですね。中学は練習量も多いし、そこで基礎をしっかり身につけて上がってきてくれる。身近にいるので、僕も体育の授業などで中学生の体の使い方などをチェックすることもできる。うちは部員の半分くらいが星稜中出身で、メンバーになるのもだいたい半分ぐらい。スタメンもそれくらいの比率になりますね。なので、いい流れをつくってくれているのは確かです。
朝6時半には学校へ…強豪監督の1日
――変わっていないことをもう一つ付け加えるなら、監督が朝早くからグラウンドに来るところでしょうか。
山下 結局、そこは父と一緒になっちゃっていますけど。授業がある日は朝6時半ぐらいにまずは学校へ行って、授業の準備等をして、それからグラウンドに行きます。休みの日なんかは直接グラウンドに行きますね。朝の方がいろいろと仕事がはかどるんで。グラウンドの脇に家があるので、6時に起きたら6時半ぐらいにはもう行けちゃうんですよ。
――やはり監督自らグラウンド整備をするわけですか。