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「落合監督がニヤリと笑うの、サインを出したときや」岡田監督“おーん”に隠された神采配ウラ側「原監督のグーより強いの、そらパーよ」 

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岡田彰布

岡田彰布Akinobu Okada

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posted2024/03/14 11:01

「落合監督がニヤリと笑うの、サインを出したときや」岡田監督“おーん”に隠された神采配ウラ側「原監督のグーより強いの、そらパーよ」<Number Web> photograph by Kyodo News

阪神・岡田彰布監督と中日・落合博満監督。2000年代のセ・リーグで熾烈な采配合戦を繰り広げた

 もうこの歳になったら頭や顔や何を言うたとか、そんな見栄えはどうでもよくなったわ。野球以外のことは、周りが面白がってくれればそれはそれでええやん。

評論家時代に鍛えられたしゃべりのコツとは

 話が面白いとか言われてもなあ。おれは普通にしゃべっとるだけよ。若いころは面白いと言われると、しょうもないこと言うなと感じたけど。今回は周りが面白がる「親父ギャグ」はそのままよ。

 平田ヘッドの「お疲れナマ」も以前なら「ヘッドコーチの言うことか」と感じたかも分からん。今は「それも個性」と笑って許した。まあおれもいろんな世界の人と付き合い、話もした。しゃべるコツも分かっては来るよ。

 リーグ優勝の祝勝会で「自分が主役」のタスキをかけてはしゃぐミエセスに「ミエちゃん、今日はあんたが主役と違うよ」と挨拶で笑わせた。CSで「高校野球のつもりで甲子園に乗り込む」と意気ごむ広島・新井監督に「高校野球って、金属バット持ってきたらあかんよ」と笑いでかわした。

 評論家時代の10年間、各地でいろんな集まりに頼まれて、講演もした。1時間半1人でしゃべってみ。そら何回もやってたらしゃべりも、笑いのツボも鍛えられるわ。

 野球の作戦に対する考え方は、“先に動くな”というものやった。「自分が動かなければ、相手が動く。相手が動くと対策を立てられる」という考え方やな。05年に中日の落合監督を相手に戦っていたときは「にやりと笑うのはサインが出たとき」などと読んだ。

 ただ、今回はちょっと違う対応もあったよな。

 前回優勝の05年は中日・落合、巨人・堀内、広島・山本浩、ヤクルト・若松、横浜・牛島と癖のあるベテラン監督が並んでいた。今回はおれが最年長。どちらかというと受けて立つという余裕があったわな。

 一方で、ベンチでも喜怒哀楽を表現し、サインを出すのもめまぐるしく動いたこともあった。自ら動いて逆に、相手の反応を見るという采配も、あったよな。

阪神園芸がすぐに、同じ長さにしてくれたわ

 オリックスで選手をやっていた時代に見ていた仰木監督は、練習前に外野のフェンス沿いを走っていた。「前夜のアルコールを抜くため」と笑いながら汗を流す。阪神での野村監督は折り畳みの椅子を、杖代わりに持ってどこでも腰掛けていた。

【次ページ】 “原監督のグー”より強いのがパーやんか

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