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「落合監督がニヤリと笑うの、サインを出したときや」岡田監督“おーん”に隠された神采配ウラ側「原監督のグーより強いの、そらパーよ」

posted2024/03/14 11:01

 
「落合監督がニヤリと笑うの、サインを出したときや」岡田監督“おーん”に隠された神采配ウラ側「原監督のグーより強いの、そらパーよ」<Number Web> photograph by Kyodo News

阪神・岡田彰布監督と中日・落合博満監督。2000年代のセ・リーグで熾烈な采配合戦を繰り広げた

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岡田彰布

岡田彰布Akinobu Okada

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Kyodo News

 2023年、阪神タイガースに38年ぶりの日本一をもたらした岡田彰布監督。阪神、オリックス時代に育まれた野球観と豊富な人生経験は、どう指導者として生かされているのか。書籍『普通にやるだけやんか』(Gakken)より、中日時代の落合博満監督や巨人の原辰徳前監督相手の“観察眼”などの項について、転載でご紹介します。(全3回の第2回/第1回第3回へ)
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「そらそうよ」とは言わん

 前回監督したときは「そらそうよ」が口癖と言われた。同世代のトラ番記者から「〇〇ですね?」と質問されると「そらそうよ」と答えるしかないやん。今回はもうトラ番が息子より若いくらいやから。「そらそうよ」を言わなくなったんは、トラ番のレベルが落ちたからや。

 前回の担当記者は、もっと野球を勉強し、周辺取材もしたうえで、おれに質問してきた。答えを持って聞くから「そらそうよ」と受けるしかないやん。そうして記者との緊張感と信頼感も、年々熟成されていくんよ。

 だから、前の担当記者はみんな出世しとるやろ。担当記者とも切磋琢磨しながら、ともに成長したということやん。改発さんなんか、デイリースポーツの社長にまでなったんやで。そらおれも、大したもんやとうれしかったよ。 

「おーん」と書かれても、そのまま

 選手と同様に前回と比べれば担当記者も若くなった。前回は同年代の記者が多かった。もともとは「自分が話さなければ相手が話し始める」という法則よ。だから「そらそうよ」ですんだ。

 今回は違う。自分から説明してやらないと、理解されない。だから「そらそうよ」と相手の言葉を受けるのではなく「おーん」と自分に相槌を打つようになったんかな。「●●だよな」と自分が言って、自分で「おう、そうよ」の感じで、ほんまは「おう」とか「おお」というリズムやと思うよ。

 ところが、若い記者がインタビューの記事で「おーん」と新聞に書いた。ファンも「今日の岡田監督は、最高おーん」などと言いながら数を数えて、面白がったわ。まあファンが喜んでるならということで「おーん」もあえてそのままにしといた。

【次ページ】 評論家時代に鍛えられたしゃべりのコツとは

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